「水」と「守り神」の歴史で読み解く千葉の酒造り

今回は、『「まち」と「道」の歴史で読み解く千葉の酒造り』の続編!千葉県の酒造りを、「みず」「守り主」の視点で考えます!

千葉県の場所(地図)


最初に下総は、なだらかな地層が広がる下総台地に覆われています。特に近年では、東京のベッドタウンということもあり、北総地域では、都市化が進んでいます。また、畜産・農業なども盛んに行われています。その一例として、白井市の梨や八街の落花生は有名です。

次に上総は、東京湾沿岸と九十九里沿岸は低地となっており、その間に南部にある房総丘陵から伸びた森林が多い地域が広がっています。

最後の安房は、中央部に房総丘陵が広がっており、山間部と海岸線との距離が近く、平野での米作りとは異なり、棚田が多くみられます。また、安房という地域は、暖流の黒潮の影響で、冬場は比較的温暖であることが特徴。そのため、寒い地域で日本酒を作るときに比べて、酵母菌の繁殖が難しく、高度な技術を求められます。(下図)

(写真:千葉県庁より)

【Mizu】みず(山・川)

下 総 編

そんな下総には、北部を流れる利根川があり、そこから分岐した小さな河川を含めて利根川水系ということがあります。『酒造りは歴史で語れる⁈ 〜まち・みち編 in 千葉県〜』でも書きましたが、かつては、この水系が整備されておらず、雨のたびに、河川が氾濫する状況でした。しかし、江戸時代、田沼と水野の尽力によって、解消とは言わないまでも、少しずつ改善していきました。

この辺りは、佐倉城の城下町成田山の門前町でもあるので、多くの人に飲んでもらえる機会があるということも考えると酒造り好適地と言えます。

上 総 ・ 安 房 編

上総の河川(養老川・小櫃川・小糸川)は、房総丘陵を水源としています。これらの河川の水源から河口に10kmほどしたところに久留里城があり、やはりこちらも、酒造りには、好適地と言える。

【Mamorinushi】守り主(神社)

千葉県の酒造メーカー近郊には、ほぼ必ずと言っていいほど、神社がある。これは、その土地の神社での祭りを通じての酒の奉納などがあったことや神様はお酒好きなので、神様が酒造を神社の近くに置かせたのかもしれません。

特に、千葉県の酒造近郊に多い神社はこちらです。

  •  浅間神社
    サクヤヒメ命(日本の美を象徴する神)を祀る。浅間大神(「火」の神様)。富士山が見える場所に置かれることが多い。
  •  八幡神社
    八幡神を祀る。かつて、大分の宇佐地方では、農業神であったとされる。平安時代以降は、戦いの神様として考えられた。
  •  春日神社
    春日神は、神道の神様。春日大社の勧請されたとされる。

これらの神社に守られながら、酒造りを続けてきたと言えるのかもしれませんね。それも、元々は、日本神話に、日本酒の元になるお米を作ると国が平和になるというところからきているのかも?

4Mをまとめてみると・・・

安全であり、人が集まるもしくは集まるところへアクセスしやすい、水資源が豊富な場所で酒は作られるということです。特に、下総と上総南部〜安房はそうです。

  1.  安全:力に守られている。 (EX)城・城下町→武力、門前町→寺社勢力(仏)、神社→神様
  2.  人が集まる / 集まるところへアクセスしやすい (EX)城・城下町・門前町 / 街道や河川沿い
  3.  水資源が豊富:山地山脈に近いもしくは河川沿い

これらが他の地域でも当てはまるのかも検証していきたいと思います・

最後に

各地で酒造メーカーはありますが、その地域でお酒を作るに至った歴史があります。それに触れるのも、また味わいを楽しみ一つかもしれませんね。

 

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SAKE RECO 編集長

SAKE RECO 編集長

日本のお酒をこよなく愛する「SAKE RECO」の編集長。特に、日本酒はもちろんのこと、「クラフトジン」や「焼酎」にどハマり中。お酒ばっかりだと太るので、「マラソン×筋トレ」は日課。以前から日本ワインは勉強中!

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