ワインの香りを最高レベルに感じる飲み方と香り成分の「すごい」効果

ワインを飲む時、出来るだけ香りが良い状態で飲みたいという人がほとんどだと思います。ワイン通の人であれば、デキャンタや注いで飲んだり、コルクを開けてから少し置いて飲む人も多くいるようです。そこで今回は、ワインの香りを十分に楽しめるワインの飲み方を科学的にご紹介します!また、どんなワインの香りが、リラックス効果があるのかも合わせてご紹介!

ワインの香り

ワインに含まれる酸素

ワインが出来上がり、ボトルに注いでコルクで栓をした後、酸素がボトル内のワインに溶解します。この酸素のことを溶存酸素と言います。ボトルに注いだ直後の溶存酸素は、5〜8ppm、6mL/Lまたは8mg/L(「ワインの味とにおい」著:横塚 弘毅 1989年)あり、温度が5℃下がると、この溶解度は、10%程度増加すると言われています。

ワイン中に溶解した酸素は、時間と共に使われて、溶存酸素量は減少していきます。約1年半〜2年程度で、80%程度減少し、それ以上の長さになると、90%以上の減少幅となります。

この溶存酸素の減少は、酸化還元反応がその理由となります。酸素の受容体となるのが、フェノールと亜硫酸です。亜硫酸は、以前下記の記事でもご紹介しましたが、酸化を防ぐもので、酸素の受容体になることで、ワイン自体の酸化を防いでいます。

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このように、フェノールと亜硫酸によって、酸化還元反応が起こり、ボトル中のワインは、還元的な状態になります。その結果、不快臭や香りの品質の低下が引き起こされてしまいます。

不快臭が引き起こされる原因は、ワイン中の硫黄化合物が還元されるためと考えられています。また、香りの品質が低下してしまう理由は、香りの元となる香気成分が還元されてしまうこととされています。

要するに、ボトルにワインが充填されてから、長い期間保管されていたり、熟成されている場合、ワインのボトルの中は、還元状態となっていて、溶存酸素が少なくなっている状態になっており、不快臭や香りの質が落ちてしまっている可能性が高いということです。

充填後のワイン充填直後のワインは、溶存酸素量が多く、香りに問題が生じる可能性は低い
・ワイン充填から2年以上経過している場合、ボトル内が還元状態になっている可能性があり、不快臭や香りの品質が下がっている可能性がある

充填後から長期間経過したワインの香りを復活させるには?

先ほどのように、ボトルに充填されてから長期間経過しているワインは、溶存酸素量が減少し、還元状態にあることが多いのですが、では、そんなワインの香りを良くするにはどのようにすれば良いのでしょうか?

1.抜栓してから1〜2時間空気に触れさせる

抜栓し、空気に触れさせておくことで、溶存酸素量が増加します。元々、不快臭や香りの品質の低下を引き起こしていたのは、溶存酸素量が減ってしまった還元状態なので、空気に触れさせておくことが大切です。

それによって、還元状態のために生成されてしまった硫黄化合物などの化合物や香気成分が酸素と反応し、もとの状態に戻ります。これによって、香りが良くなります。

ただし、注意が必要です。瓶詰めしてからまだ若いワインだと、そのワイン自体の溶存酸素量が多く含まれている可能性があります。ですので、抜栓して1〜2時間程度空気に触れさせておくのは、なるべく瓶詰めから2年以上のワインにしておく方が無難です。

【番外編】抜栓後の白ワインに要注意!

赤ワインよりも冷たい状態で保存していることが多いため、低温状態にあることがほとんどの白ワイン。実は、低温だと酸素の溶解度が非常に高く、5℃下がるだけで、10%程度溶存酸素量の溶解度が高くなります。

また、白ワインは、赤ワインに比べて、酸化反応が早いため、抜栓後、なるべく早く飲むのがおすすめです!

. デキャンティング

ワインを一度、デキャンタに移すこともワインの溶存酸素量を増加させる方法の一つです。先ほどの抜栓してから2時間空気に触れさせるのに比べて、同時間で、3〜6倍で溶存酸素が増えますので、デキャンティングする場合は、20〜30分程度置いておくくらいでちょうど良いと思います。

【番外編】デキャンティングの効果

デキャンティングの目的は、溶存酸素量を増やす以外にも、2つあります。

A.ボトルの底に沈む硝酸カリウム・タンニン(澱)を取り除く

B.ワインを柔らかい味にする

上記の二つが、デキャンティングの効果なのですが、ここでも注意が必要です。熟成させた期間が長いワインは、既に、味が柔らかくなっていることが多いのが特徴です。ですので、急激に、溶存酸素量が増えてしまう「デキャンティング」よりも、この場合、抜栓させて、時間の経過ごとに味を確かめていく方が、個人的には良いのかなと思います。

ですので、デキャンティングさせて、味わいを柔らかく、まろやかに楽しむのにおすすめなのは、瓶詰めからまだ日が浅いような若いワインがおすすめです。

【おすすめのデキャンタ】

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ワイングラスやデキャンタの定番中の定番と言えば、リーデルです。標準的なデキャンタの形と容量ですが、持ち手が手になじみ、繊細に作られているのが特徴です。デキャンタであれば、これを購入しておけば、間違いない一品です。

香りを存分に楽しむためのポイント・瓶詰めから2年以上の赤ワインは、抜栓から1〜2時間程度、空気に触れさせておく
・白ワインは、抜栓後、早めに飲むようにする
・デキャンティングは、溶存酸素量が非常に増加しやすいので、実施後、20〜30分程度で飲むようにする
・デキャンティングするのにおすすめなワインは、瓶詰めしてから日が浅い・若い赤ワイン

リラックス効果が高いワイン品種とは?

杏林大学医学部とサントリー研究センターの共同研究(2000年)で、ワインの香りには、リラックス効果があることが明らかになりました。

実験方法

日常的にワインを飲用している30代(平均年齢:34.4歳)の女性16人を対象に、ワインの香りによるリラックス効果を実証する実験を行われた。この際、脳波のα波の解析を行った。

使用するブドウ品種は下記の通りです。
赤ワイン3種類(カベルネ・ソーヴィニヨン、 メルロー、コンコード)
白ワイン3種類(シャルドネ、ソーヴィニヨン・プラン、マスカット)
12% エタノール水溶液

実験結果

脳波のα波は、安静時や覚醒、閉眼時に成人の頭頂部や後頭部で見られるのですが、特に、赤ワインのコンコード、白ワインのシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブランで、α波が増大することが確認されました。

このことから、ワインの香り成分には、リラクゼーション効果があると証明されています。

ワインの香りとリラクゼーション・ワインの香り成分には、リラクゼーション効果がある
・特に、赤ワインのコンコード、白ワインのシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン

まとめ

まとめ・瓶詰めから2年以上経過しているワインは、抜栓後、1〜2時間程度、空気に触れさせるか、もしくは、20〜30分程度デキャンタに移しておいておくか
・冷やした白ワインは、抜栓後、なるべく早く飲むのがおすすめ
・瓶詰めから日が浅い赤ワインは、デキャンタするのが良い
・ワインの香り成分には、リラックス効果あり

 

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