飲酒が与える「睡眠」への影響とは?
1930年代くらいから「飲酒」と「睡眠」について、数多くの研究が行われて来ました。そこで今回は、研究論文で紹介されている「飲酒」と「睡眠」の関係についてご紹介して行きましょう。
飲酒すると体はどうなるのか?
睡眠は「アデノシン」が原因?!
みなさんも経験したことがあるのではないでしょうか?お酒を飲んで眠くなってしまったことが…。しかもそんな時に限って、夜中に起きてしまうってこともあったりします。
その理由は、眠気を引き起こす「アデノシン」にあります。アデノシンは、アデノシン三リン酸(ATP)と呼ばれるエネルギー源が代謝されたものです。
要するに、運動したり、勉強したりと人間が活動するとエネルギーを消費しますからその結果生まれたものが「アデノシン」と考えてください。このアデノシンは、脳を覚醒(活発)状態にする「ヒスタミン」を抑え込むことで、眠気が生じます。
この眠気をみなさんならどうやって覚ましますか?もしかしたら、多くの人は「コーヒー」を飲むのではないでしょうか?このコーヒーは、ヒスタミンを抑え込む前にアデノシンの作用を抑え込むので、理に適っている対策なんですね。
それで本題です。飲酒後、脳の中では、このアデノシンの分泌量が増加し、眠気が生じます。しかし、これによって眠ったとしても、それはすぐにおさまってしまい、体が十分に休まらないうちに眠りから覚めてしまいます。
POINT・飲酒後、眠気を促進させる「アデノシン」の分泌量が増加し、眠くなる。
・一度眠ると、体が十分に休まる前にすぐに眠りから覚めてしまう。
身体休まる睡眠を妨げる?!
飲酒後の睡眠は短いだけでなく、疲れた身体を休めるだけの十分な睡眠にならないようです。というのも、飲酒後の睡眠には、ある2つの脳波が関係しています。
一つ目は、デルタ波です。このデルタ波は、無意識状態の時に現れる脳波で、ノンレム睡眠中に生じやすいとされています。これは、脳の神経細胞の伝達を助ける「シナプス」を強化し、「記憶」や「学習」を促します。
そして、二つ目がα波です。α波は、必ずしも「睡眠中」に生じるものではなく、むしろ起きていてよくリラックスしている状態の時に生じることが多いとされています。
この二つが、飲酒後の睡眠中の脳に分泌されるため、身体を休める十分な睡眠を妨げてしまう可能性が示唆されています。
REM睡眠を邪魔すると・・・
また、飲酒後の睡眠は、REM睡眠の邪魔をすることが多くの研究や論文で発表されています。一般的にレム睡眠は、眠ってから90分間の睡眠を言い、それは夢を見ることが多いと言われています。また、身体を休めるのには非常に重要な役割を果たしており、このREM睡眠が邪魔されると、翌日に眠くなったり、体が怠くなったりしてしまいます。
飲酒量と睡眠の質の関係
実験概要
2018年にJMIR Mental Healthに掲載された論文「Acute Effect of Alcohol Intake on Cardiovascular Autonomic Regulation During the First Hours of Sleep in a Large Real-World Sample of Finnish Employees」では、18〜65歳までの男女を対象として飲酒した日としなかった日で心拍変動を分析しました。
この心拍変動は、交感神経と副交感神経によって構成されている「自律神経系」に紐づいており、前者は「興奮状態」の時に、後者は「リラックス状態」の時に優位に働きます。
そのため、心拍変動を分析することで、被験者のリラックス状態を把握することが出来ます。そこで、実験では、飲酒後の3時間の心拍変動のデータを収集しました。
ちなみに、飲酒量は「少量(low)」、「適量(moderate)」、「多量(high)」に分類され、分析されました。
実験結果
実験では、少量でさえも、飲酒していなかった時に比べて、9.3%も身体的な回復を低下させていることがわかりました。しかも、1杯の飲酒でさえも、睡眠の質を下げてしまうことが明らかに・・・。
また、適量(女性:1杯程度、男性:2杯程度)で通常より睡眠の品質は24%、そして多量の飲酒(適量以上)では39.2%の低下になったそうです。なお、男性と女性での影響の差はなく、またオフィスワークの人と身体を使う作業の仕事の人とでの影響の差もありませんでした。
ただし、若ければ若いほど、睡眠に影響が出ることが明らかになりました。
POINT・少量での飲酒も睡眠の質の低下を招いてしまう。
・若ければ若いほど、飲酒が睡眠の質に影響を与える。
飲酒しても心地良い睡眠をするには?
お酒を飲んで、楽しい気分になって寝床について気持ちいい睡眠をするには、どうすれば良いのでしょうか?
飲酒すると、肝臓でアルコールはアセトアルデヒドに変化します。しかし、このアセトアルデヒドは身体にとっては有毒です。そして、飲みすぎてしまった場合などでは、アセトアルデヒドによって交感神経が優位に働きます。そうすると、眠ったとしても、すぐに起きてしまうこともあるようです。
1.身体の調子によって飲酒量をコントロール
先ほどの研究でも、飲酒することで少なからず睡眠の質は低下してしまいます。そのために、疲れている時などは飲酒を控えるかもしくは、飲酒量をコントロールするなどして、体調と相談して飲酒するようにしましょう。
2.アセトアルデヒドの代謝効率を高める「よいとき」
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原料に、アルコール脱水素酵素とアセトアルデヒド脱水素酵素の抽出物が含まれていて、「お酒を飲んですぐに顔が赤くなる人」や「長時間お酒を飲み続けられるけど、最近二日酔いがひどくなった」人におすすめ。
3.帰宅後、すぐに寝ない
帰宅後に、眠いからといってすぐにベッドへGO!するのは待ってください。寝てしまうと、肝臓や腸の働きもストップしてしまうので、アルコールの代謝が遅れてしまうようです。
なので、ノンアルコール飲料(水など)を飲んで、少し酔いを冷ましてから寝るのがおすすめです。ちなみに、2013年にアサヒ飲料が発表した内容によると、「オレンジ果汁」にはアルコール代謝を促進してくれる作用があるようです。しかも、その果汁濃度が高ければ高いほど血中アルコール濃度を低下させる働きも明らかになっています。
果汁たっぷりのオレンジジュースを飲みながら酔いを覚ますのもいいかもしれません。
【番外編】超快適睡眠を実現させる「枕」
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「Gゼロ まくら」をご存知でしょうか?これは、たった数分の実演販売で億単位の売り上げを実現してしまう「レジェンド松下」さんもおすすめする枕です。
筆者は、去年だけど枕を2つ変えているんですが、それでもなかなか合う枕がなくて困っていました。数万円するオーダー枕を購入する気持ちになれず、半ば諦めていた時に、この「Gゼロまくら」を紹介してもらい、購入しました。購入した時は、僕の奥さんも一緒に購入したので、寝心地などの感想を共有しました。
これまで、寝返りを打つたびに無意識に起きてしまって、そこからの寝つきが良くなくて、ちょこちょこ起きてしまっていました。しかし、このGゼロまくらにしたら、寝返りがうちやすくなって、途中で起きる回数も格段に減りました。
これは、低反発のウレタンフォームと高反発のGゼロジェルの両方の硬さを調整しています。個人的に、ウレタンフォームが低反発であるから頭の形に合わせて枕が変化してくれ、高反発のGゼロジェルが過度な沈み込みを減らしてくれているような気がします。
その結果なのか分かりませんが、自然な寝返りが出来ていて快眠です。そして、何故かわからないんですが、寝る前と起きた時で、枕が全く動いていないんです。これまで使っていた枕は、知らぬ間にベッドから落ちていることも…。それが無くなったことも、寝ている時に枕を探さなくて良くなったので良かった!
ちなみに、フジテレビ系列の「魔女に言われたい夜」でも紹介されて、大きな反響があった商品だそうです!
おすすめです!
まとめ
まとめ・少量でも飲酒をすると睡眠の質は低下する
・睡眠のためにも、そして翌日のパフォーマンス向上のためにも、適量までの飲酒に留めましょう
・果汁濃厚な「オレンジジュース」を飲みながら、酔いを冷ましてから寝るようにしましょう
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