飲み過ぎた日の「睡眠」と「二日酔い」の関係とは?
2017年にユトレヒト大学の研究者グループから発表された研究では、飲み過ぎた日の「睡眠」と二日酔いの「長さ」や「辛さ」などに関係性があることが明らかになりました。では、どんな関係性が明らかになったのでしょうか?
2017年にユトレヒト大学の研究者グループより発表された「Total sleep time, alcohol consumption, and the duration and severity of alcohol hangover」では、睡眠と二日酔いについての関連性が明らかにされました。
お酒を飲まない人ほど『ひどい二日酔い』?!
今回の研究の目的は、「睡眠時間と二日酔いの続く時間や辛さの関係性」を明らかにすることでした。では、その研究の概要について簡単に触れておきましょう。
研究方法
578名のオランダの大学生(男性:40.1%、女性:59.9%)を対象に、直近の二日酔いに関するデータを収集するために調査を行いました。その調査で収集したデータには、「睡眠時間」と「飲酒量」、「二日酔いの辛さ」、「二日酔いの期間」の項目があります。
それらの項目を「睡眠時間」が「5時間以下」、「5〜7時間」、「7時間以上」に分けて、データを分析しました。
研究からわかったこと
◆ 全 体
・対象者情報平均年齢:20.0歳
・1週間の飲酒量:20.5杯
・1ヶ月の二日酔い回数:2.7回
・血中アルコール濃度が0.1%に到達する飲酒量:8.3杯
・最後の飲酒からの二日酔いの継続時間:18.4時間(SD:3.9)
・飲酒後の平均睡眠時間:6.5時間
全体の数値を見ると、1ヶ月の二日酔いの回数が、平均で2.7回という結果に。みなさんはどうでしょうか?1ヶ月に3回以上二日酔いになっている場合は、平均から考えても多いかもしれませんね。
血中アルコール濃度が0.1%程度になると、「ほろ酔い」や「酩酊初期」と判断されます。そうなる平均の飲酒量は、8杯程度というのは、目安として知っておくのも良いでしょう。なお、一回の飲酒の適量は、多くの研究などでは「男性:2〜3杯、女性:1〜2杯」と言われています。
そして、驚きが「二日酔いの継続時間」です。平均で「18.4時間」となっており、思いの外、二日酔いは長く続くようです。翌日に仕事や大切な用事がある時は、尚更、二日酔いにならないように、2〜3杯程度に切り上げた方が良いかもしれません。
◆ 睡眠時間ごとの結果
5時間未満 | 5-7時間 | 7時間以上 | |
---|---|---|---|
被験者数 | 95 | 313 | 170 |
平均年齢 | 19.7 | 19.9 | 20.5 |
飲酒量(1week) | 16.3 | 20.4 | 23.1 |
二日酔い回数(1month) | 2.1 | 2.7 | 2.9 |
飲み過ぎた時の飲酒量 | 4.4 | 7.9 | 9.4 |
血中アルコール濃度 | 0.08 | 0.10 | 0.12 |
二日酔いの辛さ | 27.5 | 23.9 | 20.9 |
二日酔いの継続時間(h) | 17.5 | 18.3 | 19.2 |
飲酒後睡眠時間 | 3.4 | 6.0 | 9.0 |
飲酒後の睡眠時間は、「1週間の飲酒量」と「1ヶ月間の二日酔い回数」、「飲み過ぎた時の飲酒量」、「血中アルコール濃度」、「二日酔いの継続時間」に比例すると言えます。
その一方で、飲酒後の睡眠時間に対して、「二日酔いの辛さ」の度合いは反比例しています。
このことが何が考えられるのでしょうか?
上記のことから、普段の飲酒量が多い人は、必然的に「二日酔いの回数」が多くなり、また「飲み過ぎた時の飲酒量」も多くなることは理解できます。その結果、「血中アルコール濃度」が高い傾向となり、お酒が抜けるまでに時間がかかり、「二日酔いの継続時間」も長くなります。
そういった経験をしていることで、二日酔いの辛さをなるべく軽減させたり、動かないことで辛さを感じないようにするために、睡眠時間が長くなるのではないかと思います。 研究からわかること飲酒後の睡眠時間は、「1週間の飲酒量」と「1ヶ月間の二日酔い回数」、「飲み過ぎた時の飲酒量」、「血中アルコール濃度」、「二日酔いの継続時間」に比例する
二日酔いにならない睡眠とは?
二日酔いにならない睡眠についてご紹介します!
睡眠前の準備
睡眠前は、「部屋の設定温度」「照明状態」「水分補給」が重要です!
◆ 部屋の設定温度
部屋の設定温度は、15〜20℃がおすすめです。
◆ 照明状態
照明は「OFF」状態にしておくようにしましょう。
◆ 水分補給
ナトリウムやBCAAが含まれている「アクエリアス」がおすすめです。
眠る向き
眠る向きは、個人差がありますが、「左向き」で寝るのがおすすめです。
左向きで寝ると、体内の老廃物や毒素を排出機能を高めてくれると言われています。というのも、老廃物や毒素を流してくれる「リンパ液」の素になる「リンパ」は、体の左側にあることが多いとされており、アルコール代謝で生じたアセトアルデヒドも老廃物・毒素に入るので、飲酒後の睡眠は、左向きがいいと言う人もいるくらいです。
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