お正月の「お屠蘇」の由来と簡単な作り方とは?
いつからお屠蘇が飲まれるようになった?
お正月に飲まれるお屠蘇ですが、日本の正月行事として定着したのは、いつ頃なのでしょうか?少し、詳細に解説していこうと思います。作り方だけ知りたい方は、飛ばしてください。
お屠蘇は中国からの輸入文化
平安時代
お屠蘇が日本に入ってきたのは、平安時代初期になります。空海と橘逸勢らと三筆の一人である嵯峨天皇の時代に遡ります。嵯峨天皇の時代すなわち弘仁年間は、810年〜825年までの15年の期間に中国から屠蘇が入ってきたと言われています。
この屠蘇を日本に持ち込んだのが、中国の博士、「蘇明」という和唐使と言われています。この屠蘇は、元々中国のものでした。
そして、この屠蘇を開発したのが、かの三国志に必ず登場する「曹操」にも、手厚い保護を受けており、その時代の名医として名高かった「華佗(かだ)」という人物でした。(しかし、曹操の怒りを買ってしまい、のちに曹操に殺害されてしまいます)
このような経緯によって、日本に入ってきた屠蘇は、その後、平安時代の正月行事として、貴族や役人などの上流貴族の間に広がっていきました。紀貫之も土佐日記の中で、正月に屠蘇を飲んでいるという記述をすることからも、屠蘇が定着していたことが伺えます。
江戸時代
その後、江戸時代になると一般庶民の間にも、正月行事として、屠蘇を飲むという文化が広がり始めました。また、薬商人などが、年末に屠蘇を調合して、配るという地域も出てきて、より屠蘇の文化が広まりました。 屠蘇の歴史・嵯峨天皇の時代に、中国より伝来。
・屠蘇は、中国の名医「華佗」によって作られた。
・平安時代には、上流階級を中心に正月行事となり、江戸時代に庶民の正月行事として定着。
屠蘇の由来
屠蘇の由来には、いくつかあると言われています。
その一つが、「邪を屠り、身体を蘇らせる」という意味があるようです。屠蘇の「屠」は、悪い物の「死」や「葬る」という意味があり、新年に汚れがないようにする意味があったのではないでしょうか?
要するに、新しい年を迎えるにあたり、悪いことを払拭して、新たな心と身体にしておこうというところでしょうか?
屠蘇とは?
屠蘇と御神酒を同じものと考えている人も多くいるようです。
屠蘇と御神酒の違い
「屠蘇」と「御神酒」はどう違うのでしょうか?
屠蘇とは、新年を迎えるにあたり、邪気を払ったり、身についた悪鬼を屠ることが由来とされています。一方で、御神酒というのは、本来、神前に備える物であり、私たちが飲むことを目的とされていません。
屠蘇は何から出来ている?
現在では、正月に日本酒を飲むことを「屠蘇」と思っている人も多いようです。(ちなみに、私の実家では、正月に日本酒を飲むというのが、屠蘇だとしていました。)このように、お正月に日本酒を飲むことを屠蘇と思っている人も多いようですが、屠蘇の材料とは何かご存知でしょうか?
屠蘇は、元々、薬草(5〜10種類程度)で出来た「屠蘇散」または「屠蘇延命散」をお酒に漬け込んだものを言います。特に、よく配合されている薬草には、下記のようなものがあります。
配合されている薬草 | 効能 |
---|---|
白朮(ビャクジュツ) | 健胃、整腸、利尿 |
紅花(コウカ) | 血液循環、鎮痛 |
山椒(サンショウ) | 腹痛、膨満感 |
桔梗(キキョウ) | 抗菌、鎮静、解熱、排膿 |
甘草(カンゾウ) | 鎮痛、解毒 |
肉桂、桂皮 | 健胃、発汗、解熱、鎮痛、整腸 |
防風(ボウフウ) | 発汗、解熱、鎮痛、風邪 |
陳皮(チンピ) | 健胃、鎮咳、鎮吐 |
上記のような効能のある薬草が入っているので、健康にも良いようですね。最近では、養命酒以外にも、日本で、薬草を配合しているお酒が非常に、人気になってきています。
例えば、沖縄の泡盛と薬草を配合した「ハブ酒」や活性酸素の働きを抑える「陶陶酒」、広島県福山市を中心に製造されている「保命酒」などもありますので、健康に配慮しながら、お酒を楽しみたい人には、おすすめです!
薬草を漬けたお酒で人気のハブ酒の記事はこちら
では、お屠蘇の簡単な作り方をご紹介します!
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