『チャレンジ』と『工夫』で新たな石岡酒造を追求  石岡酒造株式会社 女性蔵元:冷水貴子さん、広報・蔵人:藤井祐未さん

東京から約1時間ほどにある石岡市。今年、石岡駅前にある「石岡第一高校」が甲子園に初出場を果たし、市内は、甲子園に湧いています。そんな石岡市に、「醸造300年の技・日々これ吟味」をモットーに、伝統を守りつつ、新たな変化を追求する「石岡酒造株式会社」があります。今回は、一度は東京で就職した2人の若手女性蔵元・蔵人が、地元にある石岡酒造に戻り、必死に工夫しながら、変化を追求し続ける姿に密着させていただきました。日本酒好きはもちろん、「今、一歩踏み出すことに悩んでいる人」にも読んでもらいたいと思います。

今回は、茨城県石岡市にある「石岡酒造株式会社」の若手女性の蔵元:冷水貴子さんと蔵人兼広報担当:藤井祐未さんに取材させていただきました。今回は、他業界から日本酒業界に飛び込んで来た二人に、その経緯と今の取り組みについてお聴きました。

同僚2人が歩き始めた「酒蔵」のみち

石岡酒造の入り口

Q:石岡酒造さんのTwitterやInstagramは、結構な頻度で更新されていると思うのですが、以前からSNSの更新は、頻繁にされていたんでしょうか?

(藤井さん):実は、私たちが入社してから始めました。以前から、Twitterについては、アカウントが開設されていたんですが、更新がほとんどされていなかった状態だったんです。でも、私たち2人が入社して、「すぐには成果は出ないかもしれないけど、情報発信をし続けていこう」ということで、貴子さんが、Instagramの担当、私が、Twitterの担当で情報発信を続けています。

私たちは、元々、東京で働いていたので、石岡酒造の魅力が東京やそのほかの県外に、届けられたらいいなと思って、情報発信を続けています。

Q:お二人は、東京でご勤務されていたとのことですが、どのような経緯で、地元の石岡酒造に入社したのですか?

(藤井さん):私たちは、某コピー機メーカーの事務を専門とする会社で勤務していました。同じフロアで働いていたのですが、部署は違ったので、共通の会社の知り合いに「同じ茨城県出身」ということで、紹介されるまでは、お互い知りませんでした。ちなみに、私は、水戸出身なんですが、その知り合いから、「石岡の『筑波』っていう日本酒を作っている酒蔵の子だよ」と紹介してもらったのが、冷水さんと出会うきっかけでしたね。そのあとは、一緒に食事に行くようになりました。

(冷水さん):そうなんですよね。同じ茨城出身ということもあって、仲良くさせていただいていて、あることを機に、藤井さんに、「実家が酒蔵なんだけど、一緒に手伝ってもらえないか」と誘わせてもらったんです。

Q:そこで、お二人で、すぐに石岡酒造に入社という感じだったのですか?

(冷水さん):いえ、そういう訳ではありませんでした。というのも経緯がありまして、元々、東京から戻って、実家の家業を手伝うという考えは、「全く」と言っていいほど、ありませんでした。

でも、昨年5月に、実家に帰って、家業を手伝うかどうかを考えなければならない出来事がありました。実は、前職を退職する直前まで、どうするか悩んでいました。本当は、前職でやっていきたかったというのが、本音だったんですが、母からの優しい言葉や周りの人からの「貴ちゃんがやるなら応援するよ」という温かい励ましの言葉をいただいて、一歩踏み出すことができました。

また、「父や従業員さん、先代や先々代が必死に守ってきた会社を私も守っていきたい」と思うようになったことも、石岡酒造に戻るという一歩を踏み出せたのもかもしれません。ただ、酒類業界の現状などを考えると、「私一人で、やっていけるかな」と思っていたので、会社で仲良くさせてもらっていて、しかも社内でも仕事ができる藤井さんに、「どうにかして一緒に石岡酒造に来てもらえないか」というのを、職場近くのみなさんもよくご存知の某イタリアンレストランで、相談させてもらいました。

(藤井さん):私もちょうど「会社を退職するタイミング」だったんですね。近年、登山にハマっていまして、中でも富士山が大好きで、「一度でいいから富士山の山小屋で働いてみたい」と思い、思い切って会社を退職して、昨年の7〜9月に念願の富士山の山小屋で働きました。ただ、山小屋で働く前に、貴子さんから先ほどの相談を受けていたので、「富士山で考えるね」ということで、すぐにはお返事はできませんでした。

富士山から下山してきて、お会いするタイミングがあったので、そこで、「私でどこまで出来るかわからないけど、力になれたら」と思って、入社することを伝えました。

私の入社が、2018年11月で、貴子さんは、前職の引き継ぎ等もあったので、12月に入社したのですが、そのタイミングで、「新しい石岡酒造」として、情報発信をしていこうということで、TwitterとInstagramを始め、今もイベントがある時や事務の人とのやり取りで、面白いことがあれば、発信しています。

『新たな石岡酒造』を伝えるSNSの活用

Q:TwitterとInstagramの情報発信で、どんなことに意識していますか?

(藤井さん):二人が石岡酒造に対して思っていることが、ほとんど一緒なので、Twitterは、「私の感覚で面白いと思ったものを発信していく」ようにしています。一方で、Instagramは、冷水さんが情報発信をしているので、同じイベントでも、発信する内容が少し変わっているかなと思います。

Q:TwitterとInstagramは、それぞれ、どんな人に情報を届けたいと意識していますか?

(冷水さん):私は、Instagramを担当しているのですが、Instagramは写真がメインなので、写真を綺麗に撮って、丁寧な文章で届けようと思っています。Instagramのフォロワーさんは、石岡酒造を知らないという若い方が多いので、写真を見て、興味を持っていただければと思っています。ぜひ、同世代(30歳前後の)若い方や女性の方に見ていただけたらと思います。

ちなみに、Instagramの「#(ハッシュダグ)」は、毎回、同じものを付けるようにしています。また、今回、私たちのテーマが、「#石岡酒造チャレンジ」なので、それを付けたりしています。また、藤井さんが、蔵人も兼務していただいているので、「#蔵人女子」と付けたりしています。こんな感じで、たくさんの人に検索して、見てもらえるような心がけをして、投稿していますね。

(藤井さん):Instagramがしっかりとした写真と文章で情報発信しているので、Twitterは、日々の業務で面白いことなどを投稿しています。私自身、性格的に「面白いことをやりたい」と思っているので、誰かが見て、「クスッ」と笑ってくれる内容だったり、公式アカウントなのに、見ている人が「おやっ⁈」と思ってもらえる投稿を心がけています。(仕込み16号に人造人間16号が…)


酒造りで、蔵に入っている時は、酒造りのことだけでなく、あえてポーズを決めてみたりして、ちょっと面白くしようとしています。ただ、どの投稿にも意識しているのが、「写真は面白く・言葉は一言二言」という投稿を心がけています。

他にも、Twitterを通じて、他の酒蔵さんとコミュニケーションを取って、一緒にイベントをしたり、つながりを持つきっかけにもして行きたいと思っています。また、石岡酒造は、茨城県の会社なので、この辺りの企業さんや商店街などとTwitter上で、コメントし合ったりして、地元を盛り上げていければということも意識しています。

Q:TwitterとInstagramで情報発信をしていて、フォローワーさんからどんな反応がありましたか?

(藤井さん):先日、3月9日〜10日に「IBARAKI 日本酒Bar」という茨城県の蔵元が集まるイベントがあったんですね。その少し前に、石岡酒造の王冠を使ってマグネットを作るという投稿をしたんですが、その投稿を見ていた方がいらっしゃって、イベント当日に、「王冠マグネットありますか?」とお声をかけてくれたんです。それを欲しくて、来てくれた方がいたのは、嬉しかったです。(下が王冠マグネットの作成をタイムラプスの投稿です。)


(冷水さん):日本酒に関してのイベントでは、Instagramのハッシュタグを使って、告知していることも多くあるので、イベント告知は、Instagramのアカウントを使って積極的に投稿しています。また、石岡酒造の日本酒を知らない人もいると思うので、商品の紹介を出してみたり、外にはあまり出ていない商品を紹介したりしています。

そうしたら、投稿を見ていた方から、DMを通じて、「この商品まだありますか?」という質問をしていただいたりしました。先日は、酒販店さんからご連絡をいただきましたね。

また、昔から石岡酒造を知っていただいているお客様から、「コンセプトを変えた商品を出したんだね!」などのお言葉をいただけるようになったので、最近は特に、情報発信の大切さを身にしみて感じていますね。
(下記のInstagramの投稿は、最近発売となった「純米吟醸 筑波ぬーぼー。」の告知投稿です。)

 

View this post on Instagram

 

* 実は実は、 「純米吟醸 筑波ぬーぼー。」の 2年熟成版を蔵限定で販売しております🌸 * 2年前から温めておいたぬーぼー。が、やっとやっと陽の光を浴びました🌸 * 新酒ぬーぼー。と飲み比べするのもオススメです😊 * 是非お問い合わせ下さい🌸 * 少量生産ですので、数に限りがございます🙇‍♀️ * 🌸 * #石岡酒造#石岡酒造株式会社#ishiokashuzo#石岡酒造チャレンジ#筑波#酔鶴#日本酒#茨城県#日本酒好きと繋がりたい#新酒#sake#sakestagram#newchalleng#蔵人ズ#蔵人女子#sake#japanesesake#日本酒女子#プレミアム筑波#ilovesake#飲酒たグラム#iloveibaraki#筑波山#筑波ぬーぼー。#熟成#純米吟醸#ひな祭りデビュー#日本酒で乾杯

石岡酒造株式会社さん(@ishiokashuzo)がシェアした投稿 –

日本酒は『違い』を知ると面白い

Q:少し話題は変わりますが、石岡酒造に入社する前後で、日本酒に対しての印象は変わりましたか?

(藤井さん):私は、お酒は好きなものの、日本酒はあまりこれまで飲んできていなかったんですね。そんな感じだったので、日本酒が何からできているのかわからないくらいでした…。

そもそも、私が飲むお酒は、ビール党だったので、あまりアルコール度数が高いお酒を積極的には、飲んでいませんでした。正直、石岡酒造に入社する前に、冷水さんに、「私、日本酒飲めないけど大丈夫⁈」と聞いたくらいでした。

そんな私でも、入社して、蔵人として、酒造りに関わると、だんだんと「日本酒が面白い」と思うようになりました。最初は、「日本酒ってこんな風に作られているんだ」という、知らなかったものが知れる刺激を感じていましたが、徐々に日本酒の味の違いの面白さに魅かれるようになりました。

蔵人として、アミノ酸度や日本酒度などの数値が変わると、味が変化していくことに気づいてからは、より一層、日本酒が面白いと思うようになりましたね。

(冷水さん):蔵元の娘ながら、それまでは、日本酒は全然飲んでいなかったんです。以前の日本酒のイメージは、「アルコール度数が高くて、酔いやすい」って感じでした。ただ、少しずつ色々な種類を飲んでみると、「味わいが違う」と感じるようになってきました。自分が飲みやすいものもあれば、飲みにくいものもあるということを知っていくうちに、女性が飲みやすい日本酒を探すようになっていましたね。

Q:石岡酒造に入社して、お酒の飲み方や楽しみ方で変わったと思うことは何かありますか?

(藤井さん):私は、「食べるもの」が変わりました。これまでは、ビールや酎ハイに合わせて、唐揚げやフライドポテトを食べていたのが、日本酒を飲むようになって、塩辛やたこわさなどの「おつまみ系」を感覚的に選ぶようになりました。

(冷水さん):「冷や」で飲むものをあえて、「熱燗」で飲んだりして、新たなお酒の美味しさを見つけるようになりましたね。これまで、日本酒を知らなかったからこそ、色々な飲み方を試して自分なりの日本酒の楽しみ方を少しずつ見つけられているような気がします。

今回は、石岡酒造のお二人に、石岡酒造に入社する経緯やSNSの取り組み、日本酒の楽しみ方について聞いて来ました。次回は、他の業界から日本酒業界に飛び込んで来たお二人から見た日本酒業界について取材しましたので、ご紹介する予定です!

石岡酒造のSNSアカウントでは、Facebook・Twitter・Instagramのアカウントがそれぞれありますので、ぜひ、フォローしてみてください!

次回の記事は、「『日本酒業界』と『石岡酒造』の未来とは? 石岡酒造株式会社 女性蔵元:冷水貴子さん、広報・蔵人:藤井祐未さん」です!ぜひ、ご覧ください!

『日本酒業界』と『石岡酒造』の未来とは? 石岡酒造株式会社 女性蔵元:冷水貴子さん、広報・蔵人:藤井祐未さん

5月3日に『石岡酒造』×『恵比寿今市』の「茨城の日本酒と料理を楽しむ会」開催!

SAKE RECO協賛で、茨城県石岡市にある『筑波』や『寿山』など、数多くの日本酒銘柄を造り続けている『石岡酒造』と住所と電話番号を非公開にしている隠れ家的な和食創作料理店の『恵比寿今市』が、「茨城の日本酒と料理を楽しむ会」のコースイベントを開催します。

茨城の食材と旬の素材を折込み、石岡酒造の日本酒に合うメニューをご用意致します。
【メニュー】:お料理5品〜6品目 (前菜〜デザート)
【日本酒】:日本酒の銘柄が決まり次第、随時更新いたします。
【開催日】:5月3日(金) 憲法記念日
【時 間】:17:00〜20:00  (ラストオーダー19:30)
【場 所】:恵比寿 今市 ※場所の詳細は、ご予約いただいた後に、メールにて、ご案内致します。
【定 員】:16名様 ※ご予約は、下記の予約フォームよりご予約ください。定員になり次第、締め切り。
【料 金】:お一人様 12,000円 (税込) ※お支払いは、イベント時前払い。クレジットカード可。

【予約ページはこちら】

5月3日開催!『石岡酒造』×『恵比寿 今市』の「茨城の日本酒と料理を楽しむ会」予約ページ

【詳細情報】

住所:茨城県石岡市東大橋2972
電話番号:0299-26-3331
代表銘柄:『筑波』『寿山』『酔鶴』

石岡酒造公式サイト:http://www.ishiokashuzo.co.jp/
石岡酒造Facebook:https://www.facebook.com/ishiokashuzo.official/
石岡酒造Twitter:https://twitter.com/ishiokashuzo/
石岡酒造Instagram:https://www.instagram.com/ishiokashuzo/

The following two tabs change content below.
SAKE RECO 編集長

SAKE RECO 編集長

日本のお酒をこよなく愛する「SAKE RECO」の編集長。特に、最近では、日本酒はもちろんのこと、「クラフトジン」や「焼酎」にどハマり中。お酒ばっかりだと太るので、「マラソン×筋トレ」は日課。

コメントする

*
*
* (公開されません)

スポンサードサーチ