確実に料理が美味しくなる⁈科学的に解説するワインの料理への生かし方

調理用ワインと飲料用ワインの違いとは

上記のように、ワインには、肉を柔らかくしたり、肉汁の放出を防ぐ効果があるので、市販で、調理用ワインがあります。では、普段飲んでいるワインと調理用ワインには、どのような違いがあるのでしょうか?

調理用ワインは、普段みなさんがワインショップやスーパーで見かける「飲むためのワイン」は成分調整がなされています。

特に、「糖分」と「有機酸」、「アルコール度数」について、一般的なワインと異なります。

まず、糖分ですが、調理用ワインは、一般的なワインに比べて、糖分控えめに造られています。また、「酒石酸」や「リンゴ酸」、「乳酸」などの有機酸と呼ばれる「旨味」を引き出してくれる成分が豊富に含まれています。最後に、アルコール度数は、調理用ワインは高く造られています。というのも、アルコール度数を高く設定することで、保存期間を伸ばしたり、品質を保つのに適しているためです。

調理用ワインの赤と白の使い分け

調理用ワインにも、「赤ワイン」と「白ワイン」があります。それぞれの特徴とその特徴を生かした調理方法について簡単にご紹介します。

調理用赤ワイン

特徴
1.肉を柔らかく・みずみずしくする
調理用赤ワインは、果皮の成分が豊富に含まれていることで、「乳酸・リンゴ酸・酒石酸」の有機酸が多く入っており、pH値を下げることで、肉の保水性を高めてくれます。(先述)そのため、お肉をみずみずしく、柔らかに仕上げてくれます。

2.肉の臭みを抑えてくれる
最近では、ポリフェノールの抗酸化の働きが、肉の調理や加工の際の臭みを抑えてくれることが明らかになってきています。(「肉の臭みを抑える調理専用ワインの開発」小柳 淳氏 2013年)

調理方法
加熱して、煮込む前(約2時間程度)に、赤ワインに漬け込むと、柔らかい仕上がりに近づきます。また、赤ワインと一緒に煮込むことで、肉の臭みも抜けるので、鶏肉のレバーを調理する時にはおすすめです。

調理用白ワイン

特徴
1.魚の臭みを抑える
調理用白ワインは、魚の臭みを抑えてくれる働きがあります。これは、魚の臭み成分である「アミン」という成分を、白ワインの有機酸が中和することで、生臭さが抑えられます。

2.殺菌作用
また、それだけでなく、白ワインには、殺菌作用もあります。これは、有機酸(この場合の多くは、酒石酸とリンゴ酸が多い)が、ワイン中で「電離」するものと「電離しない」ものに分かれて存在しています。ポイントは、「電離しない有機酸」です。この有機酸は、脂質と混ざりやすい傾向を持っていて、細菌の細胞膜(リン脂質)と混ざり合い、細菌を殺菌することができます。このように、白ワインは、香りを引き立たせるだけでなく、殺菌作用もあります。

3.塩味がまろやかに
たまに、塩味がキツく感じる時があります。そんな時に、ワインの酸味が加わることで、塩味が丸くなることが「ワインの百科 河野友美 1969年」に明らかにされています。

調理方法
魚介類の生臭さを取ったり、牡蠣などが持つ細菌を殺菌・除去してくれるので、魚介類の調理におすすめです。特に、白ワイン蒸しのように、魚介類と一緒に白ワインを一緒に煮込むのが個人的には、おすすめです。

おすすめ調理用ワイン

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調理用赤ワインの種類は、実は結構少ないのですが、中でもメルシャンクッキングワインは、お手頃な価格で、しかも、和食・洋食と幅広い料理にも合わせやすく、業務用として飲食店でも活用しているところもあります。ちょっと、手の込んだお料理を作るのに、おすすめです!

サントリー 料理天国 紙パック 白ワイン

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調理用白ワインの定番中の定番と言っても過言ではない「料理天国シリーズ」の白ワイン。1979年の発売からプロの料理人からの絶大な信頼を集めるワイン。調理用ワインなら、これは外せない1本です。

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まとめ

まとめ・お肉を柔らかく調理するなら「2時間前」にワインに漬け込む
・アルコールを入れて調理することで、低温でじっくりと食材を生かした料理ができる
・赤ワインには、旨味やコクを出しながら、肉を柔らかくしたり、肉の調理・加工中の臭みを抑えてくれる
・白ワインには、魚の臭みを抑え、また、殺菌作用もある

飲み残したワインの保存について、ご紹介していますので、ご興味あれば、ご覧ください!

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SAKE RECO 編集長
日本のお酒をこよなく愛する「SAKE RECO」の編集長。特に、最近では、日本酒はもちろんのこと、「クラフトジン」や「焼酎」にどハマり中。お酒ばっかりだと太るので、「マラソン×筋トレ」は日課。

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