【取材記事】「ワインを造りたい」同い年の2人が創業した「Le Milieu」とは?
2018年に安曇野市明科で創業したワイナリー「Le Milieu」。その創業者のお二人「左:代表 塩瀬 豪 さん / 右:副代表 齋藤 翔 さん」です。お二人とも、行動力があり、思い立ったらすぐ行動して、ワイナリーの創業に至りました。そこで、今回は、このお二人に、創業までの経緯とこれからの展望についてお伺いしました。
面白いと思って、すぐ行動して行き着いたのがワイナリー⁈
Le Milieu 代表:塩瀬 豪さん(年齢:31歳)
Q:どうして、ワイン造りをしようと思ったんですか?
実は、最初からワイン造りをしたいと思ったわけではなかったんですよ。もともと、地元の高校を卒業して、長野大学社会学部に入学しました。大学では、観光や地域活性などを学ぶことになっていたのですが、勉強よりも自分の好きなものが何かを考えるようになりました。そこで、改めて気づいたのが、「海が好き」ということでした。
思い立ったらすぐ行動という感じで、沖縄に行きました。沖縄では、ダイビングショップに勤め、ダイビング免許を取得し、インストラクターもやらせていただきました。ただ、残念なことに、耳の鼓膜が破れてしまったので、それをきっかけに、一度地元の長野に戻ることを決めました。
ただ、そのころは、長野で何をやりたいというのが、特にありませんでした。そこで、沖縄での生活を思い返してみると、沖縄には、観光してきたお客様に、伝えられたり見せられる「文化」があるということに気づきはじめました。例えば、スキューバダイビングが楽しめる海だったり、戦争を物語るひめゆりの塔であったり。
じゃあ、「長野で観光のお客様に楽しんでもらえる文化って何だろう?」と考え始めました。ちょうどその頃、長野県では、信州ワインバレー構想が話題になっていて、「そうだ!ワインなら長野の文化にできる!」と思い、大手ワイナリー「あづみアップル」に入社します。
あづみアップルでは、醸造からぶどうの栽培、果実ジュースの製造など、幅広い業務に携わることができました。ワイン製造では、特にソーヴィニオンブランやピノ・ノワールなどのメジャーな品種のワインを担当させていただきました。その甲斐あって、ワインの醸造経験も10年ほど経過した時に、知人の紹介で大切な今のパートナー「齋藤」と出会いました。
「やりたいこと」を大切にして、動きに動いてたどり着いたワイナリー創業
Le Milieu 副代表:齋藤 翔 さん(年齢:31歳)
Q:塩瀬さんにもお伺いしましたが、どういう経緯でワイン造りに至ったんですか?
もともと、地元に高校までいて、先輩や近所の人を見ても、このままだと、地元から出ない人生になってしまうなと思うようになりました。そこで、あえて大阪の大学に行きました。長野の高校生は、東京に行く人は多いんですが、なかなか大阪に行く人は少ないので、他の人と違う道を選びました。
大学時代に知り合ったフランス人の女の子がいるんですけど、その子は考え方がはっきりしていて、「日本に来たのも、日本語を勉強したかったから」と自分の「やりたい」ことや「好き」なことに忠実だったのには、とても刺激を受けました。彼女から、「人生って…?」「生きるって…?」というようなことをよく聞いていて、「好きなことやらなきゃ!」「本当に人生それでいいの?」ということを自分に問いかけるようになりましたね。
最初は、「海外に行くか」、「日本に残って飲食店をするか」を考えていました。しかしここでもあえて、南アフリカに半年間留学に行きました。南アフリカに決めたのは、アメリカ、イギリスなどの留学の王道の国ではなく、どうせなら、日本人が行かない南アフリカに行こうと決めました。なので、日本人には全然会わなかったですね。社会の貧富の差もリアルに感じて、色々と考えることは多かったですね。
ただ、大学の費用も、両親に出してもらっていたこともあって、「就職しないといけないな」と感じ、日本に帰国しました。ただ、地元に戻ってきて、就職したんですが、数ヶ月で辞めてしまいました。そのあとは、飲食店も考えたんですが、実は僕も塩瀬と一緒で「海」が好きということで、「漁師」になって、住み込みで働かせてもらいました。ちなみに、場所は、高知県です 笑。
そこで、漁師を8ヶ月ほどやらせてもらって、機会があって、長野に戻ることになりました。そこで、飲食店に就職しました。その飲食店が、オーナーソムリエだったこともあり、ワインの勉強をさせてもらいました。ソムリエの資格を取得したんですが、だんだんワインを造るのも面白そうだなということで、長野県の北部にあるワイナリーに3年勤めて、安曇野のワイナリーに2年勤務しましたね。そして、そろそろ自分でワインを作りたいなという時に、知人の紹介で「塩瀬」 と出会いました。
創業してから変わったいったワイン造りへの考え方
Q:(To 塩瀬さん)どんな方に自分たちのワインを飲んでもらいたいですか?
自分たちのワイナリーを知ってもらって、造ったワインを飲んでもらいたいですね。そのためにも、今は、安曇野の地元の人に、自分たちがの存在を知ってもらえるように頑張ろうと思います。その上で、東京の人であったり、他の地域の人にも飲んでもらえて、しかも『楽しく飲んでもらえるワイン』を造っていきたいですね。
Q:(To 齋藤さん)ソムリエとワイナリーでの経験をお持ちですが、創業してからワイン造りの考え方って変わりましたか?
だいぶ変わったと思いますね。最初は、ひたすらに美味しいものを造ることにこだわり、口コミで広がって売れればと思っていましたが、今は、色々なところに顔を出したり、自らで情報を発信して、自分たちと造ったワインを知ってもらってファンになってもらえるように頑張ろうと思うようになりました。
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