健康診断前に実践してみたいコレステロールを抑えるチーズの魅力とは?

年齢が増せば増す程、健康診断で気になるのが、コレステロールの数値です。このコレステロールの項目で、健康診断で引っかかってしまう人も多いはずです。そこで、今回は、2015年にJanette de Goede氏によって発表された「Effect of cheese consumption on blood lipids: a systematic review and meta-analysis of randomized controlled trials」でわかったハードチーズとコレステロールの関係についてご紹介します!




このメタ研究の目的とは?

この研究は、チーズが他の高脂質乳製品とは異なった脂質への影響があるのではないかということで、1978年から2014年までの36年間の実験・研究をメタ分析したものです。

というのも、これまで、アメリカをはじめとする欧米諸国では、健康上の理由から乳製品を摂ることを勧められて来ました。特に、チーズは、栄養価が高いとされており、またカルシウムを含む血圧を下げるような成分が豊富に入っていると考えられていました。

アメリカでは、ワインを日常的に飲むこともあってか、カルシウム摂取の9.2%がチーズからという程、チーズが身近な存在として、庶民に親しまれてきたんですね。

しかし、その一方で、チーズは冠動脈心疾患の発症リスクを引き上げてしまうかもしれないということも懸念されていました。その理由は、チーズが、ナトリウムや飽和脂肪酸を含んでいるからとされていたからです。

前者のナトリウムは、高血圧や冠動脈心疾患に繋がり、不飽和脂肪酸に比べて、飽和脂肪酸はLDLコレステロール値を上げてしまい、その結果、やはり冠動脈心疾患に繋がると考えられていました。

しかし、この飽和脂肪酸と冠動脈心疾患との関連性を直接的に証明しているものは少なかったこともあり、これまでの研究や実験を介して、メタ分析を行い、チーズとコレステロール値の関連性を紐解いていきました。

研究方法

研究データの収集

研究データの収集には、5つのデータベース(MEDLINE , Embase,Scopus , CabAbstrcts , the Cochrane Controlled Trials Register)を中心に検索を行い、当初検索ヒットしたのは、なんと「3,456件」でした。

そのうち、1,076件が重複していたということで対象外となり、様々な研究基準に照らし合わせた結果、最終的には12件の論文を対象にメタ分析を行うことにしました。

研究基準

健康な成人を対象にランダム化比較試験でのデータを取り扱うことを大前提としました。また、チーズとその他の食品の摂取によって身体的な影響を下記の項目ごとにトレースしていきました。

研究対象項目
・総コレステロール
・LDL
・HDL
・VLDL(使われずに残って肝臓に戻ってきたLDLを再合成して出来たもの)
・トリグリセリド(中性脂肪)
・アポリポプロテインA1
・アポリポプロテインB

データベースから研究対象外となる基準も決められており、下記のような項目が対象外とする基準となった。

対象外
・肥満患者を対象としている
・偽餌法を利用している
・チーズを使用していない
・チーズのリノール酸(抗肥満作用があるされている)の活用研究
・血液中の脂質の過剰反応のあるもの

研究結果の概要

12件の研究を対象にしたメタ研究の結果・概要は下記のようになった。

研究概要・対象研究数:12件(1978年〜2014年の期間中対象)
→その多くがクロスオーバー法での実験が主となっている。・性別:男性のみ、女性のみ、男女混合。

・年齢:22〜56才

・被験者の特徴:健康体で、徐々にコレステロール値が上昇傾向にある人。ラクトオボベジタリアンも含む。(菜食主義ではあるが、乳製品を摂る人)

・1件あたりの被験者数:5〜49名

・期間:2〜8週間

・主な目的:血液中の脂質への影響(体重変化は考慮しない)、LDLコレステロールの計測

・比較対象:バター、ミルク、豆腐、脂質改善されたチーズ

研究からわかったこと

1.乳製品で摂取されたカルシウムが脂質吸収を抑える

チーズを食べた時とバターを食べた時のコレステロールを調べたところ、チーズを食べた時の方が、コレステロールが低下していたことが明らかになり、これは、カルシウムの成分による違いと説明できるという。(引用研究:Cheese intake in large amounts lowers LDL-cholesterol concentrations compared with butter intake of equal fat content.

そもそも、カルシウムには、小腸で脂肪酸と結びついて、水に溶けない形に作り変えられ、脂肪の吸収を抑えてくれる働きがあります。(脂肪の大部分は、胃リパーゼや膵リパーゼによって分解され、大部分が小腸で吸収される)そのカルシウムの含有量が、チーズとバターでは大きく異なります。

品目カルシウム含有量
チェダーチーズ(100g)740mg
ゴーダチーズ(100g)680mg
プロセスチーズ(100g)630mg
ブルーチーズ(100g)590mg
カマンベール(100g)460mg
カッテージチーズ(100g)55mg
有塩バター(100g)15mg

(日本食品標準成分表より)

チーズとバターとでは、カルシウムの含有量は、大幅に変わってくることがわかります。また上記の表から、チーズの形質が硬いものであればあるほど、カルシウムの含有量が多いことがわかります。例えば、チェダーチーズやゴーダチーズは、歯応えもしっかりしているものが多いので、硬い傾向が強いチーズですが、これらは、チーズの中でも、カルシウムの含有量が多いものになります。

また、2009年に発表された「Effect of calcium from dairy and dietary supplements on faecal fat excretion: a meta-analysis of randomized controlled trials.」では、カルシウムの1日あたりの摂取量が1241mgと700mgの摂取量で比べたところ、糞便に含まれる脂質は、カルシウムを1241mg/d摂取した時の方が、5.2g/d増えたという結果も出ています。

そのほかにも、2011年に発表された「Dairy calcium intake modifies responsiveness of fat metabolism and blood lipids to a high-fat diet」では、乳製品からカルシウムを1日あたり約1,500mgしたことで、総コレステロール量とLDLコレステロールの増加を抑えられたことがわかりました。

ただし、まだまだ、チーズに含まれるカルシウムとコレステロールの関係で明らかにされていないことも多いため、今後、カルシウムについての研究が進むことが期待されています。


1.チーズに含まれるカルシウムがコレステロールを抑えてくれる
2.カルシウムが多く含まれている「チェダーチーズ」「ゴーダチーズ」はおすすめ!

2.ビタミンK2がコレステロール濃度を下げる起爆剤に

チーズには、ビタミンK2も多く含まれています。このビタミンK2は、大動脈石灰化や冠動脈心疾患のリスクを低下させる働きがあります。

また、このビタミンK2には、微生物の発酵を促す働きもあります。そのため、チーズに代表される発酵乳製品は、人間の腸の微生物を増加させます。

これらの微生物(特に、大腸に住み着くもの)は、食品由来の消化しにくい炭水化物を発酵させることにより、コレステロール濃度を下げる働きを持つ短鎖脂肪酸の生産性を上げるようになります。(引用研究:Consumption of fermented and nonfermented dairy products: effects on cholesterol concentrations and metabolism.

まとめ

まとめ・カルシウムの多いゴーダチーズ・チェダーチーズがおすすめ
・ナトリウムも含まれているので、食べ過ぎには注意しましょう

 

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