健康診断前に実践してみたいコレステロールを抑えるチーズの魅力とは?
研究からわかったこと
1.乳製品で摂取されたカルシウムが脂質吸収を抑える
チーズを食べた時とバターを食べた時のコレステロールを調べたところ、チーズを食べた時の方が、コレステロールが低下していたことが明らかになり、これは、カルシウムの成分による違いと説明できるという。(引用研究:Cheese intake in large amounts lowers LDL-cholesterol concentrations compared with butter intake of equal fat content.)
そもそも、カルシウムには、小腸で脂肪酸と結びついて、水に溶けない形に作り変えられ、脂肪の吸収を抑えてくれる働きがあります。(脂肪の大部分は、胃リパーゼや膵リパーゼによって分解され、大部分が小腸で吸収される)そのカルシウムの含有量が、チーズとバターでは大きく異なります。
品目 | カルシウム含有量 |
---|---|
チェダーチーズ(100g) | 740mg |
ゴーダチーズ(100g) | 680mg |
プロセスチーズ(100g) | 630mg |
ブルーチーズ(100g) | 590mg |
カマンベール(100g) | 460mg |
カッテージチーズ(100g) | 55mg |
有塩バター(100g) | 15mg |
(日本食品標準成分表より)
チーズとバターとでは、カルシウムの含有量は、大幅に変わってくることがわかります。また上記の表から、チーズの形質が硬いものであればあるほど、カルシウムの含有量が多いことがわかります。例えば、チェダーチーズやゴーダチーズは、歯応えもしっかりしているものが多いので、硬い傾向が強いチーズですが、これらは、チーズの中でも、カルシウムの含有量が多いものになります。
また、2009年に発表された「Effect of calcium from dairy and dietary supplements on faecal fat excretion: a meta-analysis of randomized controlled trials.」では、カルシウムの1日あたりの摂取量が1241mgと700mgの摂取量で比べたところ、糞便に含まれる脂質は、カルシウムを1241mg/d摂取した時の方が、5.2g/d増えたという結果も出ています。
そのほかにも、2011年に発表された「Dairy calcium intake modifies responsiveness of fat metabolism and blood lipids to a high-fat diet」では、乳製品からカルシウムを1日あたり約1,500mgしたことで、総コレステロール量とLDLコレステロールの増加を抑えられたことがわかりました。
ただし、まだまだ、チーズに含まれるカルシウムとコレステロールの関係で明らかにされていないことも多いため、今後、カルシウムについての研究が進むことが期待されています。
1.チーズに含まれるカルシウムがコレステロールを抑えてくれる
2.カルシウムが多く含まれている「チェダーチーズ」「ゴーダチーズ」はおすすめ!
2.ビタミンK2がコレステロール濃度を下げる起爆剤に
チーズには、ビタミンK2も多く含まれています。このビタミンK2は、大動脈石灰化や冠動脈心疾患のリスクを低下させる働きがあります。
また、このビタミンK2には、微生物の発酵を促す働きもあります。そのため、チーズに代表される発酵乳製品は、人間の腸の微生物を増加させます。
これらの微生物(特に、大腸に住み着くもの)は、食品由来の消化しにくい炭水化物を発酵させることにより、コレステロール濃度を下げる働きを持つ短鎖脂肪酸の生産性を上げるようになります。(引用研究:Consumption of fermented and nonfermented dairy products: effects on cholesterol concentrations and metabolism.)
まとめ
・ナトリウムも含まれているので、食べ過ぎには注意しましょう
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