急拡大を続ける『ノンアルコール飲料』の正体とは?
急拡大を続ける『ノンアルコール飲料』は、10年前に比べて市場規模が『4倍』に成長しています。そんな『ノンアルコール飲料』ですが、宴会でも十分に楽しめたり、リラックス効果があることも確認されています。しかし一方で、妊娠中の妊婦さんや断酒や禁酒、減酒している人は注意した方が良さそうです。今回は、『ノンアルコール』の正体を明らかにします!
ノンアルコール飲料とは
◆ ノンアルコール飲料にアルコールが含まれているかも?!
ノンアルコール飲料とは、酒税法第二条を解釈すると「アルコールが1%未満の清涼飲料水」に分類することができます。そのため、0.05%のアルコールを含んだ場合でも、「ノンアルコール(Alc.0.00%)」と表示することができます。
ただし、あくまでもノンアルコール飲料といっても、「20歳以上」が販売対象とされています。
上記のように、『ノンアルコール飲料』と表示されていたとしても、1%未満のアルコールが含まれている可能性がありますので、注意が必要です。
◆ ノンアルコール飲料の製造方法とは?
では、ノンアルコール飲料はどのように造られるのでしょうか?風味や香りなどをアルコール飲料に近づけるために、様々な工夫が行われています。ノンアルコールの状態にするためには、大きく分けると「アルコールの生成を抑える方法」と「アルコールを除去する方法」です。
1.アルコールの生成を抑える方法
主に、日本で取り入れられている方法と言われています。アルコール発酵を行うための「発酵性の糖分」の割合を低くしたり、アルコール生成しにくい「酵母」を使用するなどして、アルコール発酵による「アルコール生成」を抑える方法です。
比較的、コストがかけずに、簡易な方法で製造することができます。ただし、この場合、アルコールを1%未満に抑えるために、様々な手法を複合的に組み合わせながら造る必要があります。
日本でこの方法が取り入れられている理由は、法律的にこの手法で行うことが望ましいことに相まって、次にご紹介する「アルコールを除去する方法」を行う際、コストがかかってしまうことにあるからです。
2.アルコールを除去する方法
海外のノンアルコールビールやワインはこの方法を取り入れているところが数多くあります。このアルコール発酵させたのち、アルコールを除去する方法にすると、味や香りがお酒に近くなり、美味しさも維持しやすくなるためです。
この方法には、アルコールを蒸留して除去する「減圧蒸留法」や減圧してアルコールを蒸発させる「減圧蒸発法」、浸透膜を使った「逆浸透膜法」などがあります。
これらは、非常に設備費用が高いのが、メーカー側にとって重い負担になります。
→コストが安く、利用が比較的容易。
・アルコール除去法:主に海外で利用されている
→味や香りがお酒に似ていて美味しく仕上げやすい
◆ 販売されているテイスト
現在、日本で販売されているノンアルコール飲料には、下記のテイストのものがあります。
・日本酒
・梅酒
・ワイン(スパークリングワイン含む)
・酎ハイ
・カクテル など
ノンアルコールでも楽しめる理由
◆ストレス軽減効果
2015年に発表された「Effect of a Luxury Item (Nonalcoholic Beer) on Stress Reduction」の論文で、ノンアルコールビール(キリンフリーとアサヒドライゼロ)と水を飲んだ学生のストレス軽減について調査した結果、ノンアルコールビールでもストレスが軽減されたことが明らかになりました。
最後の結論では、テイストに関わらず、ノンアルコールのストレス軽減効果の可能性を示唆しています。
しかも、この論文では、「キリンフリー」の方が「アサヒドライゼロ」よりもストレス軽減の効果が大きかったということも発表しています。最初にこの論文を読んで、「銘柄の比較までするのか?!」と驚きました。
POINT・ノンアルコールでも「ストレス軽減効果」がある
・「キリンフリー」の方が、「アサヒドライゼロ」に比べてストレス軽減の効果が大きい
◆「空酔い」効果
ノンアルコールを飲んだとしても、お酒を飲んだかのように酔っ払ってしまうことがあります。かの有名な「芸人:○川さん」も、ノンアルコールにも関わらず、お酒と勘違いして酔っ払ってしまったとのエピソードも。
そんな「空酔い」になってしまうのは何故なのでしょうか?理由は、先ほどもご紹介しましたが、ノンアルコール飲料と言えども、微量のアルコールが含まれているから。また、ノンアルコール飲料が、お酒の香りや味と似ていることやその場所の雰囲気で脳が勝手にお酒と錯覚してしまい、酔っている時に似た状態になる「プラシーボ効果(プラセボともいう)」に陥るというのも理由に挙げられます。
ですので、ノンアルコール飲料だからと言って、運転前に飲むのは控えた方が酔いかもしれませんね。
また、飲み会などの宴席でノンアルコール飲料を飲んでいたとしても、「空酔い」効果も相まって、十分に楽しめるかもしれません。
POINT・ノンアルコール飲料と言えど、「空酔い」と呼ばれる酔っ払いになるかも。
・運転前のノンアルコール飲料を飲むのは控えた方が良い
ノンアルコール飲料を飲まない方がいい場合とは?
◆ 妊娠中
これまで、お酒を飲んでいた女性が妊娠して、お酒ではなく「ノンアルコール」で良いからお酒の風味を感じたくなることもかなり多くの確率であるようです。特に、周りの人がお酒を飲んでいるのを見ると飲みたくなる人も多いようです。
また、妊娠しているのを知らずに、「お酒」を飲んでしまったという妊婦さんもいるかもしれません。ただ、お母さんの食べた物や飲んだ物の栄養が赤ちゃんに行き届くのは、胎盤からで、その胎盤が作られ始めるのは「7週目」からとされています。ですので、無闇に心配せずに、妊娠がわかった時点からお酒を控えるようにしましょう。
そんな妊婦さんが気になるのは、「ノンアルコール飲料であれば、飲んでよい?」ということだと思います。その質問に対しては、「NO!」です。
その理由は、「1.少量のアルコールが含まれているリスクを回避する」と「2.ノンアルコール飲料に含まれている人工甘味料を摂取しない」ためです。
妊娠中のノンアルコール飲料の摂取についての詳細は、下記のリンクよりご覧いただけます。
お酒に近い?!本格的なおすすめノンアルコール
◆ ノンアルコールビール
ノンアルコールビールは、日本以外の海外の国でも数多く生産されています。その中でも、ビール大国ドイツがあるヨーロッパで盛んにノンアルコールビールが消費されています。その中でもやはり「ドイツ」のノンアルコールビールは有名です。ドイツには、ノンアルコールビールを造る醸造所が400箇所以上あると言われています。
その中からおすすめのノンアルコールビールをご紹介します!
ヴェリタスブロイ ピュアアンドフリー
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おすすめ度: | (4.5 / 5) |
味の濃淡: | |
のどごし: |
アルコール度数:0.00%
ビールの本場ドイツの「ヴェリタスブロイ ピュアアンドフリー」は、日本でも人気が出てきているノンアルコールビールです。ヴェリタスブロイが愛される理由は、健康に気を遣った点と言えます。というのも、このビールには、「アルコール」も「添加物」も含まれていないからです。
そして、なんと言ってもビール本来の旨味や喉越しを残し、ビール本来の成分がしっかりと含まれている点にあります。本来ビールに含まれるホップや麦芽の成分が残るのは、最後に、アルコールを除去する工程で、ノンアルコールビールを造っているからです。健康のために、ノンアルコールビールを飲むのもいいかもしれません。
エルディンガー アルコールフリー
おすすめ度: | |
味の濃淡: | |
のどごし: |
アルコール度数:0.39%(少量のアルコールを含むので、運転前の飲用はお控えください)
ドイツでバイスビア(小麦ビール)の象徴的な存在である「エルディンガー社」のアルコールフリーは、世界的にも非常に人気のあるノンアルコールビールです。
その理由は、もしかしたら「泡」にあるかもしれません。「泡立ち」が綺麗でクリーミーな上に、コクがしっかりとしていて、深みがあります。まるで、クラフトビールかのような味わいもまた人気の理由の一つなんだと思います。ノンアルコールビールと言われなければ、間違えるかもしれません。
◆ ノンアルコールワイン
ノンアルコールワインには、赤ワイン、白ワイン、スパークリングワインと様々なぶどうや果実を使ったものが登場してきています。その中でおすすめなノンアルコールワインをご紹介します。
デュク・ドゥ・モンターニュ
おすすめ度: | |
香り: | |
ボディー: | |
コスパ: |
アルコール度数:0.0%
フランスでは、年間100万本も売れているとされている「デュク・ドゥ・モンターニュ」。製法は、ぶどうからワインを醸造し、最後に減圧蒸留法でアルコール分だけ除去しているので、ワインの味わいがしっかりと残っていて、アルコールを含んだスパークリングワインを飲んでいるように感じます。
アルコールが含まれていない分だけ、ボディや香りは落ちますが、味自体はしっかりとワインが感じられるのが売れる理由だと思います。おすすめの飲み方は、結構キンキンに冷やして飲むのがおすすめです!
まとめ
まとめ・ノンアルコールは、微量のアルコールを含んでいるものもあるので、注意が必要
・ノンアルコール飲料にも、「ストレス軽減」や「空酔い」という楽しめる要素がある
・妊娠中の女性は、ノンアルコール飲料と言えども、「微量のアルコール」が含まれていたり、「人工甘味料」が入っていることがあるので、おすすめできない
・ノンアルコールビールは、ドイツ産のものがおすすめ
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