必須アミノ酸「BCAA」の肝機能UPで二日酔いが予防できる理由
必須アミノ酸と分岐鎖アミノ酸「BCAA」
◆ 二つのアミノ酸
体の約20%がアミノ酸と言われており、人間が生きていく上でアミノ酸は欠かせない存在です。そんなアミノ酸には、「必須アミノ酸(EAA)」と「非必須アミノ酸(NEAA)」があります。
必須アミノ酸には、今回のテーマである「BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)」の他に、6つの成分があります。この必須アミノ酸は、体内で合成することができないので、食べ物からの摂取が必要となる成分です。
・BCAA(バリン・ロイシン・イソロイシン)←今回のテーマ
・ヒスチジン
・リジン
・メチオニン
・フェニルアラニン
・スレオニン
・トリプトファン
その一方で、非必須アミノ酸は合計で11個の成分があります。これは、必須アミノ酸と異なって、体内で生成することが出来ます。しかし場合によっては、その量が不十分であることも。
・アスパラギン
・アスパラギン酸
・アラニン
・アルギニン
・システイン・シスチン
・グルタミン
・グルタミン酸
・グリシン
・プロリン
・セリン
・チロシン
分岐鎖アミノ酸「BCAA」とは?
◆ 分岐鎖アミノ酸「BCAA」とは
BCAA(Branched Chain Amino Acid)は、「バリン」「ロイシン」「イソロイシン」の3つアミノ酸の総称です。
このBCAAは、マラソンや筋力トレーニングの際に摂取を推奨されることが多いです。ちなみに、筆者も年間にフルマラソンを3〜4回走るので、このBCAAが配合されているサプリやジェルを飲むことがありますが、BCAAが入っているものは、かなり早く吸収して効果を感じる印象があります。
そんなBCAAは、筋肉のエネルギー源となってくれる働きがあります。なので、マラソン中に飲む人が多いんですね。
それだけでなく、二日酔い防止に効果的な「肝機能向上」もあります。それでは、BCAAの3種類(バリン・ロイシン・イソロイシン)の特徴についてご紹介します。
バリン(分子式:C5H11NO2)
バリンの効果は下記の通りです。
1.肝機能の向上
2.筋肉強化・タンパク質の合成
3.肌のハリを保つ
このバリンが多く含まれている食べ物には、「鶏肉」「レバー」「魚」「チーズ」「ゴマ」などがあります。
ロイシン(分子式:C6H13NO2)
ロイシンの効果は下記の通りです。
1.肝機能の向上
2.筋肉強化・タンパク質の合成
特に肝機能の向上については、他の2成分以上にロイシンは注目されています。これは、ある研究で肝機能が低下した被験者がロイシンを摂取した場合、肝臓でのアルブミンの合成を促進したり肝細胞の増殖因子を生成することがわかってきています。
このロイシンが多く含まれている食べ物は、「牛肉」や「レバー」「ハム」「とうもろこし」「牛乳」「チーズ」などに含まれています。
なお、研究からロイシンは単独で投与されると血漿中の濃度が摂取から30分後に最大値となります。しかし、その一方で、イソロイシンとバリンの血漿中の濃度は低下することも明らかにされつつありますので、BCAAの3種類をなるべく一緒に摂取することが好ましいようです。
イソロイシン(分子式:C6H13NO2)
イソロイシンの効果下記の通りです。
1.肝機能の向上
2.神経機能の維持(集中力UP)
3.成長促進
4.疲労回復
イソロイシンには、肝機能の向上の他に、疲労回復の効果があります。そもそも疲労を感じる時というのは、脳内にセロトニンが増えた時です。イソロイシンは、そのセロトニンの生成を抑制するため、疲労回復効果があるとされています。
また、その他にもイソロイシンには神経伝達物質の材料となるため、集中力を高める効果があるとされています。
イソロイシンが多く含まれているのが、「鶏肉」「牛肉」「牛乳」「チーズ」などです。
上記の3種類のBCAAには、「肝機能の向上」の効果が見られます。そのため、飲酒前やその後に摂取することが望ましいです。
運動するならBCAAがおすすめな理由
◆ 筋力トレーニング
筋力トレーニングをすると、筋肉が分解してしまい、パフォーマンスが下がったり、疲労が残りやすくなったりします。
しかし、BCAAを摂取することで、筋肉の分解を抑制しつつ、しかも筋損傷のリスクを軽減しながらトレーニングすることが可能になります。また、筋肉を作る筋たんぱく質の合成が進みやすくなり、筋力UPにも繋がります。
◆ マラソンなどの持久系
マラソンなどの持久系競技をすると「バテる」といったエネルギー不足して、パフォーマンスが上がらないことがあります。BCAAは、筋肉中にあるグリコーゲンを節約する効果もあります。
また、持久系競技でもう一つ気をつけたいのが、乳酸疲労です。乳酸が溜まることで、思ったようなパフォーマンスが出ないことも多々あります。そんな乳酸の生成を抑制する働きもあります。
では、BCAAを摂取するおすすめのタイミングとは?
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