東御市を未開の地からワイナリー創業の地へ ヴィラデストワイナリー 代表取締役社長 兼 アルカンヴィーニュ 取締役 小西 超さん

現在、ワイナリーが増え続けている長野県ですが、その中でも、特にワイナリー創業の増えているのが、長野県東御市です。そんな東御市で、日本初の民間でのワイン造りやワイナリー経営が学べる「千曲川ワインアカデミー」を運営している日本ワイン農業研究所株式会社「アルカンヴィーニュ」の取締役であり、株式会社ヴィラデストワイナリーの代表取締役社長の小西 超さんに千曲川ワインアカデミーやこれまでのワイン造りについてお話をお伺いしてきました。ワインが好きで、将来ワイナリーを創業してみたいという方必見です!

今回は、民間で初めてワイン造りの学校「千曲川ワインアカデミー」を運営している日本ワイン農業研究所株式会社「アルカンヴィーニュ」の取締役であり、株式会社ヴィラデストワイナリーの代表取締役の小西超さんに、千曲川ワインアカデミーについてやこれまでのワイン造りについてお伺いしてきました。

ちょうど、取材当日、「千曲川ワインアカデミー」の講座が開催されていましたので、まず初めに、「千曲川ワインアカデミー」について、聞いてみました。



曲川ワインアカデミーとは?

アルカンヴィーニュ/ヴィラデスト小西超さん

(写真:小西超さん)

(SAKE RECO):本日は、お忙しいにも関わらず、お時間を取っていただきまして、ありがとうございます。

(小西さん):はい、よろしくお願いします。ちょうど、今、千曲川ワインアカデミーの講座を行っていて、全国から多くの受講生が来られています。なので、千曲川ワインアカデミーのお話からしていきましょうか?

(SAKE RECO):ぜひ、よろしくお願いします。

(小西さん):現在、千曲川ワインアカデミーは、5期目になりました。受講生のみなさんは、将来的に、自分でワインを作りたいという方が多くいらっしゃいます。以前開催していた1期目から3期目までは、火曜・水曜開校だったので、この時の受講生は、すでに会社を辞めていたり、他の事業をされている方が多く、本格的にワイン造りをしようと決意されて、受講される方が多かったです。

しかし、昨年(2018年)の4期目から、土日開校に切り替え、それによって、内容もこれまでのカリキュラムよりも、よりコンパクトにまとめました。土日開校にしたことで、受講生の数も、火水開校だった3期生の11人よりも増えて、4・5期生では、30名程度になりました。また、3期目までの受講生が、会社を辞めていたり、既にワイン用のぶどう栽培を始めているなど、ワイン造りに本格的に取り組もうとする受講生が多かったのに対し、今は、そういった方もいらっしゃりつつ、その一方で、ワイン造りをしたいと思っているけれど、まだ職場に勤務されている方も多くなってきました。

(SAKE RECO):では、そんな受講生が、「千曲川ワインアカデミー」を知るきっかけにはどういったことが多いのでしょうか?

(小西さん):これまでに、新聞・雑誌・TVなどのメディアに取り上げていただいたことで、そういったメディアをご覧になって、来られる方が非常に多いですね。また、民間で初めて、ワイン造りを学べるスクールであるため、Webなどで調べると必ずと言っていいほど、当アカデミーのサイトなどに行き着くので、そういったこともあるかもしれません。

アルカンヴィーニュ・千曲川ワインアカデミー

(アルカンヴィーニュの入り口正面)

(SAKE RECO):千曲川ワインアカデミーの受講生にはどんな方が多いのでしょうか?

(小西さん):様々な方が受講されています。受講生のお住まいも様々で、昨年は、岡山県から来られた方もおり、今では、全国から新幹線やお車で受講しに来られる人も多くなってきました。また、職業についても、幅広い職種の方がいらっしゃいます。例えば、医師や金融(証券)関係・学校の先生・ソムリエ・農業従事者・定年退職者など、挙げればきりがないくらいです。

講座の内容については、ワイン造りをする上で必要な内容を盛り込んだカリキュラムになっています。例えば、ワイン醸造の方法やワイン用葡萄の栽培方法・ワイナリー経営など、事細かに勉強することができますし、実際に、ワイナリーの現場や葡萄畑で実際に、経験してもらい、より具体的に学べるようにもしています。

曲川ワインアカデミー開校経緯

アルカンヴィーニュから見える東御の景色

(アルカンヴィーニュより見える東御市の景色)

(SAKE RECO):では、この千曲川ワインアカデミーを開校するに至った経緯を教えていただけますか?

(小西さん):それまでは、東御市で唯一、弊社の玉村だけが、ワインぶどうの栽培をしている状況でしたが、2005年頃から、現在のリュードヴァンの小山さんやはすみファームの蓮見さんが東御市に移住して来られました。もともと、こちらの出身ではなかったのですが、移住する前から東御市によく来ていて、よく話していました。

その後、ワインぶどうの栽培を始められ、「委託醸造」という形で、ワイン造りをされるようになり、その頃くらいから、ワイン造りに興味のある人たちが、移住したり、ワイン造りを手伝いに来たりするようになりました。また、玉村がエッセイストということもあり、書籍や講演でそんな東御市のワイン造りの状況や環境を話すようになり、より一層、多くの人に東御市のワイン造りに興味を持っていただき、来られるようになりました。

(※「委託醸造」とは、収穫したワインぶどうをワイナリーにワイン醸造を委託すること。ワイナリーを設立するには、大規模な投資が必要となるため、当初は、自身でワインぶどうを栽培し、他社にワイン醸造を委託する手法でスタートする人が多いとされています。)

そんな状況だったこともあり、玉村が、「ワインぶどうの栽培やワイン造りを勉強できる環境を作らないといけない」と感じるようになり、「千曲川ワインアカデミー」を開校するに至りました。

現在では、このアカデミーを卒業されて、実際にワインぶどうを栽培している方に「委託醸造」を請け負って、ワイン造りに協力させてもらっています。そういった取り組みもあって、過去4年間で、100人程度が当アカデミーを卒業されています。その中には、ワインぶどうを栽培し、既に、ワイナリーを創業した人もいます。

その中には、この千曲川ワインアカデミーに来る前から、既にぶどう栽培を始めていた人もいました。例えば、ドメーヌ長谷の長谷さんやジオヒルズワイナリー の富岡さんがそうでした。今後も、当アカデミーから実際にワイナリーを始められる方もどんどん増えて行くと思いますので、楽しみです。

また、ワイン造りという形ではなく、ワインスクールやソムリエといった「ワイン産業」を支える側で頑張っておられる人も多くいらっしゃいます。アカデミーを卒業された方が、ワイン業界を盛り上げていってくれたらいいかなと思います。

後のウスケボーイズ

ウスケボーイズDVD

(SAKE RECO):千曲川ワインアカデミーでワイン造りをサポートしつつ、ご自身も栽培醸造家として、ワインを造っていらっしゃる小西さんですが、そもそもワイン造りを始めるきっかけは何だったのでしょうか?

(小西さん):ワイン造りのきっかけになったのは、大学卒業後に入社した会社でのワイン造りです。というのも、私がその会社(以下A社)にいた1990年代は、空前の赤ワインブームで、A社でも、ワインを造ろうという事業計画が持ち上がりました。その当時、A社では、ワインを造っていなかったのですが、その会社の研究所の所長を務めていた玉村豊男が東御市でワインぶどうを栽培していることもあって、玉村の葡萄畑で勉強することになりました。

そのころ、東御市では、玉村以外の人は、ワインぶどうを栽培していない状況で、ワイン造りを始めるなんて、考えている人はいなかったんじゃないかなと思います。玉村の葡萄畑に行くことになったのが、ちょうど葡萄の収穫時期で、収穫した葡萄をサンクゼールワイナリー に持っていって、そこで、ワイン造りを手伝わせてもらいました。

その時に、ワイン造りを教えていただいたのが、2018年に映画公開になった「ウスケボーイズ」のキーパーソンでもあった「麻井宇介」先生でした。麻井先生とは、ペンションを二週間借りて、一緒に寝泊まりさせてもらい、毎日、サンクゼールに通って、ワイン造りを教えてもらいました。それが、1998年です。

それから3年間は、会社のある京都と長野を行ったり来たりして、年間100日は、ワイン造りに没頭していました。しかし、時間と共に、ワインブームも下火になってきて、2001年にワイナリー計画は中止になりました。 麻井先生も玉村も私も、楽しみにしていたので、非常に残念でした。その直後、麻井先生は、病に倒れてしまい、翌年亡くなられました。

それでも、どうしても、玉村も私も諦めきらなかったので、2人で一緒にワイナリーを造ることにしたんです。その時、葡萄畑の面積が、「0.2ヘクタール」でしたが、2003年にヴィラデストワイナリーを立ち上げて、ワイン造りをスタートさせました。この16年間で少しずつ、面積を広げて、今は、10ヘクタール程度の面積になります。

また、今年から新しい試みで、御堂という30haの場所に、他のワイナリーさんや農家さんが集まって、ワインぶどう栽培を行います。ちなみに実は、その場所は、かつて勤めていたA社のワイン造りの拠点となる計画地だったので、玉村と私にとって、思い入れのある場所なんです。他のワイナリーさんや農家さんと協力しながら、情報交換もできたりするので、新しいワイン造りの形にもなればいいなと思うととても楽しみです。

次回は、実際のワイン造りの現場を見学させてもらいながら、ワインについて、ご紹介して行きます!

なお、2018年に公開された映画「ウスケボーイズ」は、2019年7月3日よりDVD販売・レンタルが開始となっておりますので、ぜひ、ご覧ください!購入は、下記のリンクから可能です!

ィラデストワイナリーとアルカンヴィーニュの詳細

【ヴィラデストワイナリー情報】
電話:0268-63-7373
Web:https://www.villadest.com/
場所:〒389-0505 長野県東御市和6027

【アルカンヴィーニュ情報】
電話:0268-71-7082
Web:https://jw-arc.co.jp/
*千曲川ワインアカデミーのページは、上記のWebサイトよりご覧いただけます。
場所:〒389-0505 長野県東御市和6667

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