お酒を飲むと「食べたくなっちゃう」の理由とは?

2017年にBBCなどでも話題になったのが、「飲酒が脳を飢餓モードにしてしまう・・・」という内容でした。飲酒することで、脳が飢餓状態だと認識してしまうという衝撃的な内容でした。そこで、今回はお酒を飲むと「食べたくなってしまう」メカニズムの一説をご紹介します!

飲酒で、食欲が増してしまう?!

研究概要

今回の研究は、2017年に発表された「Agrp neuron activity is required for alcohol-induced overeating」です。この研究では、マウスを使い、アルコールを投与した後の食事とそれに関する脳の動きについて報告しています。

そもそも体に備わっている制御装置には、体内に摂取されたもののカロリーを察知する能力があります。なので、何か食べると「空腹感」を感じないんですね。それなのに、お酒を飲むと食べ物を食べているはずなのに空腹感を感じたり、知らぬ間に物凄い量の食べ物を口にしてしまっている…。そのことについて、マウスを使って明らかにしています。

この研究では、3日間で10匹のマウスにアルコール(人間の分量でいうと1日あたり18杯分)を注射で投与しました。ここであえて経口ではなく注射での投与にしたかというと、全てのマウスに同じ量を投与するためであり、アルコールの味によって食欲に差が出ないようにするためでした。

そして具体的な研究方法ですが、毎日、マウスがどれくらいの食事量であったのかを計測し、アルコール投与前と投与後の違いを分析しました。

また、脳の視床下部にあるAgRP神経細胞がエタノールによってどのような影響を受けるのかということを調べるために、脳サンプル写真を用いて分析しました。それだけでなく、化学薬品を用いて、AgRP神経細胞の働きを止め、アルコールを摂取した時とそうでない時の脳とマウスの食習慣への影響も分析しました。

ちなみに、このAgRP細胞は「摂食亢進」という食欲へのアクセルとなります。

研究結果

三日間、アルコールを与え続けられたマウスは、その期間中の食事量は10%〜25%増量しました。また、投与を中止すると以前の食事量に減量されることもわかりました。

また、脳ではアルコールを投与された場合、AgRP細胞が活動状態となることもわかりました。その一方で、化学薬品を投与することでマウスのAgRP細胞の働きを止めると、アルコールのマウスの食事量に与える影響ほぼありませんでした。

上記のことから、AgRP細胞の活性化とアルコールの摂取というのは、食事にとっては増量するという意味で同義であるということが、マウス上の研究では明らかになりました。

賛否両論

この研究は、BBCなどの大手メディアにも大きく取り上げられて話題になりました。しかし、あくまでもこの実験は「マウス」を使った場合であり、人間にも適用できないのではないかということでも話題になりました。

あくまでもマウスでの結果ですが、ダイエットを実現したい人にとっては知っておいても良い情報であるのではないでしょうか?

飲酒はやっぱり太る原因?!

2019年に発表された「Effect of alcohol consumption on food energy intake: a systematic review and meta-analysis」では、12の研究からメタ分析を行いました。

この研究では、アルコール飲料を飲んだ時の方がノンアルコール飲料を飲んでいる時に比べて、食事からのカロリー摂取量で平均343KJ、全カロリー摂取量1072KJの違いが出るということを発表しました。

要するに、食事量が増えたことが理由かどうかはわかりませんが、カロリー量が増えたということは人の基礎代謝にもよると思いますが、太る可能性は高くなることはわかりますね。

まとめ

まとめ・アルコールを摂取すると、食事量が増える

・アルコールの摂取は、摂取カロリーの増加にも繋がってしまう

【お酒好きでダイエットに挑戦】

SAKE RECO 編集長
日本のお酒をこよなく愛する「SAKE RECO」の編集長。特に、最近では、日本酒はもちろんのこと、「クラフトジン」や「焼酎」にどハマり中。お酒ばっかりだと太るので、「マラソン×筋トレ」は日課。

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