恋人・夫婦が知っておきたい「飲酒と円満な関係」の抑えておくべきポイントとは?

69組のカップル・夫婦を対象に、3週間かけて「飲酒と親密な関係性」との繋がりを調べた研究が、2010年にAsh Levitt氏とM.Lynne Cooper氏の共同で行われました。その研究では、特に女性の飲酒で、著しくポジティブにもネガティブにも影響することが明らかになりました。そこで今回は、「飲酒とカップルの親密な関係性」についてご紹介します。

実験に参加した異性のカップルの特徴

この実験に参加した異性のカップルには様々な特徴がありました。まず最初に、異性のカップルの参加数です。異性のカップル(夫婦も含む)は、新聞広告やフライヤー、初級心理学コース経由で募った81組が集まりました。

そのうち、90%が白人系、4%がアフリカ系、6%がその他という人種構成でした。その平均年齢は、男性20.9歳、女性20.1歳で、参加者の年齢幅は、18〜47歳でした。また、その90%が、真剣交際と認識している関係で、8%は既婚者でした。残り1組のみが、カジュアルな関係でした。ただし、このカジュアルな関係については、明言がないため、どういう意味合いなのかは不明です。

また、これらのカップルの平均交際期間は、約2年程度で、研究30日以内に、性行為を行っていました。性行為を行っているかどうかもヒアリングしているとは、驚きです。

そして、実験での結果として、カップルのいずれかが飲酒したのは、69組で、そのうち両方が飲酒した56組を対象に実験の分析を行いました。

実験の手順

実験前

具体的な実験に入る前に、今回の実験計画表の説明と個々に対してのインタビューを実施しました。

実験期間中

実験期間は、約3週間ほどで行われました。また、参加者には、毎朝と毎晩にアンケートを行いました。参加者があらかじめ決めておいた特定の時間に、アラームが鳴り、アンケートへの解答をリマインドしてくれる機能も提供されていました。

また、そのアンケートは、一度解答し、保存されると、解答者を含めた誰もがそのアンケート結果を開くことはできず、解答の変更もできない。そして、そのアンケートについては、詳細をパートナーに聞くことも話すことも禁じられました。

実験後

参加者は、初級心理学コースの参加権利と回答率に応じて、金銭的な補償を得ることができました。なお、回答率に関しては、男女に若干の差がありました。女性は、朝のアンケート回答率が93%、夜のアンケート回答率が90%だったのに対して、男性は、朝のアンケート回答率が86%、夜のアンケート回答率が82%でした。

男性より女性の方が、しっかりしてる・・・。

実験方法の詳細

飲酒量と酔いのレベル

朝のアンケートでは、前日の飲酒(飲酒量と酔い)を報告してもらいました。飲酒量では、ビールを12オンス、ワインを4オンス、ハードリカーを1オンス飲んだ場合を「標準的な飲酒量(standard drink)」としました。

また、酔いのレベルは、「1〜5(1:全く酔ってない〜5:かなり酔っている)」で評価するものとしました。

誰と飲んだか?

誰と飲んだかを「パートナー・同性の友人・異性の友人・一人」の選択肢から選ぶものとし、「パートナーと飲酒した=1」・「それ以外=0」と回答するものとしました。

飲酒報告

飲酒者からのレポートは、合計で518件ありました。そのレポートから計上された一人当たりの飲酒量は、平均5杯以上で、その内訳は、男性が6.23杯、女性が4.44杯でした。また、女性の方が、男性に比べて、パートナーと一緒にお酒を楽しむことが多く、パートナーとの飲酒率が、女性の場合は63%、男性の場合は52%でした。

女性の飲酒機会が、パートナーとの飲酒であることが伺えますね。

アンケート回答で導き出される3つの指標

1.親密さ(Intimacy)

毎朝、参加者に回答してもらうアンケートでは、カップル・夫婦間の「親密さ」を測るような質問を並べました。「パートナーとの生活がどんなに幸せか?」や「どれくらいパートナーが身近な存在であるか」を「1(全くそうではない)から5(かなりそうである)」で回答します。

ちなみに、女性の方が、男性よりも平均的にカップル・夫婦間の「親密さ」を感じていることがこの質問結果からわかりました。(結果:女性=4.45、男性=4.26)

2.パートナーの嫌な行動(negative partner behaviors)

毎晩、その日にあったパートナーの嫌な行動についての不満や問題点を、9つの質問で回答します。例えば、「今日、パートナーは、あなたを批判(非難)しましたか?」や「あなたのパートナーは、あなたを無視するもしくは冷たい態度を取って距離を置いた行動をしましたか?」などが挙げられます。

この質問に対して、5段階で回答します。「1=全くしてません!、2=いいえ、3=どちらでもない、4=はい、5=ありました!」男性と女性の回答の平均値には、大きな違いはありませんでした。(結果:男性=1.56、女性=1.57)

3.パートナー関係での良くない出来事(negative relationship events)

2.と同様に、毎晩、その日に起こった最も最低な出来事を回答します。その質問に対する補足的な内容の回答欄には、「パートナーが関わっているか」やその出来事の影響を確認するための6つの質問にも回答してもらいました。例えば、「どれくらいあなたは、その出来事や問題で、馬鹿げているまたは無能だと感じましたか?」など。

この質問に対して、5段階で回答し、「1=全くない〜5=かなり感じている」の選択肢を選びます。もし、その出来事や問題にパートナーが関わっている場合に、上記の「1〜5」の選択肢が提示され、パートナーが関わっていない場合は、「0」の回答となる。この質問でも、男女の差は、それほど大きくありませんでした。(結果:男性=0.44、女性=0.48)

面白い「飲酒とカップル・夫婦の関係性」とは?

飲酒者からのレポート「518件」をもとに、飲酒とカップル・夫婦の関係性の結果が明らかになりました。色々な条件・前提に分けた結果をご紹介していきましょう。

1.誰とお酒を飲んだかが関係性を変える⁈

誰とお酒を飲んだかで、カップル・夫婦の関係性が変わるかもしれないということで、飲酒量をコントロールしたデータを使って、その結果を調べました。要するに、「A. パートナーとお酒を飲んだ B.パートナーとは別にお酒を飲んだ C.お酒を飲まなかった」の3つのシチュエーションで、「翌日のパートナーとの親密さ」と「パートナーの嫌な行動の認識度」を調査しました。

α .翌日のパートナーとの親密さ

パートナーとは別にお酒を飲んだ時もしくはお酒を飲まなかった時に比べて、パートナーと一緒にお酒を飲んだ時の方が、「翌日のパートナーとの親密さ」が高かったことが明らかになりました。

 翌日の親密さ
パートナーとお酒を飲む4.72
パートナーとは別にお酒を飲む4.55
お酒を飲まなかった4.43

β .パートナーの嫌な行動の認識度

また、具体的な数値の資料がないのですが、パートナーと一緒のお酒を飲んだ場合、パートナーとは別にお酒を飲んだ時もしくはお酒を飲まなかった時に比べて、「パートナーの嫌な行動」を認識しているのが少なかったことが明らかにされています。

上記のことから推測ですが、パートナーの嫌な行動をあまり認識していない(もしくは、重く受け止めていない)ことで、親密性に影響を与えているかもしれません。また、嫌な行動をしていないもしくはされていないからこそ、一緒に飲めているのかもしれないことも考えると、この段階で、「パートナーと一緒にお酒を飲む=親密さ」に繋がるとは言いにくそうです。

しかし、親密さの一つの指標として、「パートナーと一緒にお酒を飲んでいるかどうか」は使えるかもしれません。

γ .女性の飲酒とカップル・夫婦の関係性

次に、誰とお酒を飲んだのかの違いによって、男女の間で認識している「カップル・夫婦の関係性」に違いがあるのかを明らかにしています。

最初に、パートナーとは別にお酒を飲んだ女性は、お酒を飲まなかった女性に比べて、翌日の親密さがより高いことが確認されています。(パートナーとは別にお酒を飲んだ女性=4.66、お酒を飲まなかった女性=4.41)ただ、面白いことに、男性には、「パートナーとは別にお酒を飲んだ時」と「お酒を飲まなかった時」での親密さに、違いは現れませんでした。(パートナーとは別にお酒を飲んだ時=4.29、お酒を飲まなかった時=4.22)

また、パートナーとは別にお酒を飲んだ女性は、お酒を飲まなかった女性とパートナーとお酒を飲んだに比べて、「パートナー関係での良くない出来事」をより多く回答している人が多くいました。(別にお酒を飲んだ=0.70、お酒を飲まなかった=0.41、パートナーと一緒にお酒を飲んだ=0.45)その一方で、男性は反対の結果が出ました。(別にお酒を飲んだ=0.32、お酒を飲まなかった=0.48、パートナーと一緒にお酒を飲んだ=0.47)

このことから、女性のパートナーとは別にお酒を飲むことは、男性よりもカップル・夫婦間の問題を引き起こしやすい傾向があると言えるのではないでしょうか?

ポイント男性よりも女性の方が、パートナーと別にお酒を飲んで問題を引き起こしてしまう可能性がある。

2.飲酒量とカップル・夫婦の関係性

α.飲酒量と関係性

パートナーが全くお酒を飲まないもしくはほんの少量しかお酒を飲まない場合、もう1人がより深酒すればするほど、パートナーが嫌な行動を認識することがますます増えてしまう傾向があります。(ただし、そのパートナーがお酒を適量ないし深酒する場合は、その限りではありません。)

要するに、1人が深酒すると、そのお酒を酷くは飲んでいないパートナーは、その行動をネガティブに受け取るということでしょう。その一方で、お互いが調和の取れた程よい飲酒量である場合、パートナーの嫌な行動を認識する傾向がお互いのどの飲み方の中でも、低かったとされています。

β .「男女」の飲酒量の違いと関係性

男性が、全く飲まないか少ししか飲まない場合、女性の飲酒量が増えると、男性の翌日のパートナー間での良くない出来事の報告が増えることがわかりました。

また、女性も深酒もしくは多くのお酒を飲んでいる場合、男性の飲酒量が増えても、なんと「翌日の良くない出来事」の回答が、普段よりも少なかったそう。その一方で、女性が少量〜適量の飲酒量の場合、女性が「翌日の良くない出来事」を回答するに紐づかなかったということです。

ポイント・お互いが気持ちよくなる程度の適量の飲酒量は、パートナーの嫌な行動を認識することが少なく、良好な関係の種まきになるかも
・男性がお酒を少ししか飲まないもしくは飲まない場合、女性の飲酒量を抑えた方がいい。
・男性の飲酒量は、女性の良くない出来事としての認識に紐づかない。

3.一緒に飲むことの大切さと要注意事項

α.男女の違いが生む親密さ

パートナーと一緒に飲んだかもしくは1人で飲んだかに関わらず、男性がお酒を飲めば飲むほど、「翌日の親密さ」は低下していくことがわかりました。また、女性が、パートナーとは別に飲酒する場合も翌日の親密さが低下しました。その一方で、女性がパートナーと一緒にお酒を飲むとそのような低下は見られなかった。このことから、女性がパートナーと一緒にお酒を飲むことは、「親密さ」を保つ上でも重要な要素かもしれません。

β.一緒にお酒を飲むことの重要性

一緒にお酒を飲んでいる場合に限り、パートナーの飲酒量の増加は、翌日のパートナーの嫌な行動の回答の減少に繋がることがわかりました。また、総じて、パートナーと一緒にお酒を飲むことは、良い影響をもたらし、逆に別々にお酒を飲むことは、ネガティブな影響に繋がる可能性を高めてしまう傾向にあるとしています。

γ.男性と飲むときの女性の飲酒量は要注意

女性が男性と一緒にお酒を飲んでいる時、女性による飲酒量が増えると、男性の翌日に回答する「パートナー関係の良くない出来事」が増える傾向にあります。それは、男性が女性の飲酒量が増えることに対して、ネガティブに受け取っている可能性が高いことにもなるということかもしれませんね。

ポイント・男性の飲酒量が多くなればなるほど、翌日の親密さは低下。
・女性がパートナーとは別に飲酒する場合も翌日の親密さは低下。
・親密さを維持するためにも、一緒にお酒を飲むことは大切な要素の一つ。

女性の感覚と飲酒傾向

α.女性が感じるネガティブな感覚と飲酒傾向

女性が、そのパートナーとの関係に距離を(親密さが乏しく)感じると、飲酒の可能性がより高まることに相まって、彼女たちが飲酒した際には、いつも以上の飲酒量になってしまうようです。(ただし、男性にはこの繋がりは見つからなかった)

またそれだけでなく、女性は、パートナーの嫌な行動をより認識すると、そのパートナーと翌日にお酒を飲む可能性が高まるようです。このことから、女性にとって、パートナーとの関係がネガティブな方向に向かうと、飲酒する可能性を高めてしまうようです。

ポイント女性のパートナー関係でのネガティブな感覚は飲酒の可能性を高める

まとめ

ポイント・男性より女性の飲酒の方が、パートナー・夫婦間の関係性に与える影響が大きい
・パートナー・夫婦で一緒にお酒を飲むことは、お互いが適量で、楽しめる限りにおいては、非常に有効な仲良し手段
・一緒に飲んでいる際、特に女性は飲酒量のコントロールに気をつけましょう

引用研究:Daily Alcohol Use and Romantic Relationship Functioning: Evidence of Bidirectional, Gender-, and Context-Specific Effects

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