【金沢観光におすすめ】白山近辺にある日本酒好きなら訪問したいおすすめ酒蔵をご紹介 7選
『【金沢観光で必見】金沢にある日本酒好きなら訪問したいおすすめ酒蔵をご紹介 5選』と『【加賀温泉で一泊の方必見】加賀・小松にある日本酒好きなら訪問したいおすすめ酒蔵をご紹介 8選』では、金沢と加賀温泉近郊にある酒蔵をご紹介しました。
今回は、石川県の中部に位置する「白山市」と「能美市」にある酒蔵をご紹介します!
白山・能美市とは
白山市:県内で、もっとも面積が広い。人口も、金沢市についで、二番目に多い。地形は、南部に白山を有しており、そこから流れ出る手取川は、県内最大の河川である。その下流は、扇状地となっており、田畑での土地活用が多くされている。北部は、金沢市にも近いこともあり、ベットタウンとして、人口が増えつつある。
能美市:内閣総理大臣の森喜朗さんや元ニューヨークヤンキースの松井秀喜さんなどの有名人を多く輩出している地域。北部には、手取川が流れており、稲作が盛んな地域である。
歴史
白山市:白山市は、縄文時代から「舟岡山遺跡(縄文時代後期の遺跡)」に見られるように、この地域が住みやすい地域と考えられる。また、平安時代以降は、院宮王臣家や寺院が領主とされる初期荘園が形成されるようになり、「東大寺領横江荘荘家跡」はそのシンボルと言える。それだけでなく、この地域は、数多く荘園が形成されるようになっていった。また、海岸では、白山の平楽湊(現在の平加地域)で、渤海国(698年– 926年に中国北東部〜朝鮮半島北部に存在した国)との交流を行っていた。その後、渤海国の滅亡や山陰道の整備によって、平楽湊は衰退して行くが、その後、手取川の沿岸にある町「今湊」や「本吉」の湊が活用されるようになり、中世には、本吉が、日本の代表的な湊(三津七湊)のうちの一つと数えられるようになる。その結果、本吉は、年貢米の積み出しや日本海を航海する船の寄港地として有名となった。その結果、1652年には、幕府より正式に、湊としての許可を与えられ、幕末・明治初期の北陸本線が開通するまで、多くの船が行き来していた。
能美市:古代の古墳が数多く存在し、和田山・末寺山古墳群や能秋常山古墳(北陸最大の前方後円墳)などが有名。大きさから推定しても、この地域には、有力な豪族がいたことが考えられている。また、その後、平安時代以降になると、国衙(国司などの役人が務める役所)が置かれ、それに伴って、荘園が増えて行った。特に、白山信仰(白山へお参りにいく思想)が盛んになると、その近辺の寺院などへの参拝者が増えるなどしたことから、院宮王臣家以外にも、寺院が荘園領主となるケースもあったようである。それもあり、現在、能美市では、多くの稲作が行われている。
ポイント
この地域の酒の歴史を見る上でポイントになるのは、「荘園(稲作)」「湊(海の道)」「白山(神様が宿る)」です。
- 荘園:この地域では、古墳が各地で見られるように、有力な豪族が古代からおり、その影響で、彼らが荘園領主や開発領主(荒地を開発して、農地として農業活用する人々)になり、農業が盛んになったと考えられる。
- 湊:平楽湊や今湊、本吉湊など、船の寄港地としての湊があったことで、京との窓口になり、その土地で年貢の積み出しを行ったりしていた。それによって、京との繋がりが深く、京の豪族や天皇皇族所有の農地が多くなっていった。
- 白山:奈良時代に泰澄上人によって開山。その後、白山信仰が盛んになり、加賀・美濃・越前からの禅定道(上の地図の茶色のラインは、加賀の禅定道)により、白山の頂上を目指す人が増えた。それによって、加賀の白山の地には、「白山比咩神社」に参拝祈願して、山頂を目指す人々も多くいた。
このことから、1800年より前に創業している酒蔵(④菊姫 ⑤小堀酒造)が、「白山比咩神社」と「手取川」、「禅定道」のほぼ重なる位置にあります。参拝者への振る舞い酒や白山参拝時のお供えのお酒として、活用されたのかもしれませんね。
それ以外の酒蔵は、他の加賀の地域の酒蔵とは異なり、旧北陸道から少し離れていることなどから、江戸時代の衰退による、酒株制度の崩壊で、酒造りが厳しい管理下のもと行われなくなったこともあり、その土地の地主が、新たに酒造りを始めた可能性があります。
白山・能美の酒造メーカー
株式会社宮本酒造店
(宮本酒造HP)
住所:石川県能美市宮竹町イ74
創業:1876年(明治9年)
電話:0761-51-3333
URL:http://www.mujou.co.jp/
見学:不可。
特徴:「酒を醸(かも)して、夢を醸す」のもと、宮本酒造さんは、多くの試みもコツコツとしたファンづくりを進めている酒蔵さんです。Facebookでの、酒蔵情報をリリースするなど、お客様へのアプローチもされています。それだけではなく、国際的なコンクールでも受賞されており、味も定評があります。
メイン銘柄:【日本酒】夢醸 大吟醸
香り:★★★☆☆
甘口:★★★★☆:辛口
淡麗:★★★★☆:濃厚
キレ:★★☆☆☆
コク:★★★☆☆
使用米:山田錦特A
精米歩合:40%
アルコール度数:15度
冷や ◎ 常温 ◯ 熱燗 ◯
マリアージュ:白身魚のポン酢ジュレ添え・カプレーゼ・塩鱈のピルピル
農口酒造株式会社
(農口酒造HP)
住所:石川県能美市末寺町イ42
創業:1868年(明治元年)
電話:0761-57-0021
URL:http://noguchishuzo.jp/
見学:可(要予約)。試飲可。
特徴:200年近く歴史のある酒蔵でしたが、平成25年まで、休眠酒蔵となっていましたが、現代の名工である農口尚彦を初代杜氏に招き、酒造りを再開。まだ、再開して、数年ですが、東京でも少しずつ見られるようになり、人気が出つつある酒蔵。しかし、まだまだ東京や福岡、札幌などでは見かけることが多くない。
メイン銘柄:【日本酒】愛山 山廃純米吟醸
香り:★★★☆☆
甘口:★★★☆☆:辛口
淡麗:★★★★☆:濃厚
キレ:★★☆☆☆
コク:★★★★☆
使用米:愛 山
精米歩合:60%
アルコール度数:18度
冷や ◎ 常温 ◯
株式会社金谷酒造店
(金谷酒造HP)
住所:石川県白山市安田町3-2
創業:1869年(明治2年)
電話:076-276-1177
URL:http://www.hakusan-takasago.jp/
見学:可(要予約)。試飲可。
特徴:酒造好適米の「石川門」のブランド化を進めてきた酒蔵。契約農家と酒蔵が試行錯誤をしながら、改良を進めていったこの「石川門」を使った日本酒も少しずつ見られるようになったのは、この酒蔵があったと言っても過言ではない。2003年には、酒蔵を再生したフレンチ料亭「高砂茶寮」を開店させるなど、多くの試みを行っている酒蔵。
メイン銘柄:【日本酒】高砂 大吟醸 大河
香り:★★★☆☆
甘口:★★★★☆:辛口
淡麗:★★★★☆:濃厚
キレ:★★★☆☆
コク:★★★★☆
使用米:山田錦
精米歩合:40%
アルコール度数:16.5度
冷や ◎ 常温 ◯ ぬる燗 ◯
菊姫合資会社
(菊姫HP)
住所:石川県白山市鶴来新町タ8
創業:1570〜1600年(天正年間)
電話:076-272-1234
URL:http://www.kikuhime.co.jp
見学:不可。
特徴:創業から400年以上と歴史のある菊姫さん。家訓には、「精米を他所に頼むようなら、酒造りを止めろ」というものがあるらしい。上記の地図からも白山比咩神社がほど近いところにあります。FacebookページやTwitter、Instagramで、現在の酒蔵の状況や酒造りの進捗などを更新しています。また、HPでも新着情報をこまめに更新しています。
メイン銘柄:【日本酒】菊理媛 (こんなお酒飲んだことない)
香り:★★★☆☆
甘口:★★★★★:辛口
淡麗:★★☆☆☆:濃厚
キレ:★★★★☆
コク:★★☆☆☆
使用米:山田錦
精米歩合:50%以下
アルコール度数:17〜18度
冷や◯ 常温◎
株式会社小堀酒造店
(萬歳樂HP)
住所:石川県白山市鶴来本町1丁目ワ47
創業:1716〜1736年(享保年間)
電話:076-273-1171
URL:https://www.manzairaku.co.jp/
見学:不可。
特徴:こちらの日本酒はもちろんのこと「加賀梅酒」は、全国的に親しまれているお酒で、どこの小売店でも見られるのではないかと思うくらい置かれているところが多い。FacebookページとTwitter
メイン銘柄:【日本酒】 萬歳楽 白山 純米大吟醸
香り:★★★☆☆
甘口:★★★★☆:辛口
淡麗:★★☆☆☆:濃厚
キレ:★★★☆☆
コク:★★☆☆☆
使用米:山田錦
精米歩合:50%
アルコール度数:15度
冷や ◎ 常温◯ ぬる燗 ◯
株式会社車多酒造
(車多HP)
住所:石川県白山市坊丸町60-1
創業:1828年(文政6年)
電話:076-275-1165
URL:http://www.tengumai.co.jp
見学:不可。
特徴:車多酒造のブランド酒といえば何と言っても、「天狗舞」。もしかしたら、天狗舞を見たことがない人は少ないのではないだろうか?特に、天狗舞の中でも、「山廃仕込」はさらっとした飲み心地を極めた最高品。
メイン銘柄:【日本酒】 天狗舞 山廃仕込純米酒
香り:★★★☆☆
甘口:★★★★☆:辛口
淡麗:★★★★☆:濃厚
キレ:★★☆☆☆
コク:★★★★☆
使用米:山田錦
精米歩合:60%
アルコール度数:15度
常温 ◎ ぬる燗 ◯
マリアージュ:刺身、肉料理、鍋など
株式会社吉田酒造店
(手取川HP)
住所:石川県白山市安吉町41
創業:1870年(明治3年)
電話:076-276-3311
URL:http://tedorigawa.com/
見学:可能(要予約)。試飲可。
特徴:「手取川」と聞くと河川の名前というより「日本酒」と答える人が多いのではないかと思うくらい、日本各地で飲まれている日本酒。その手取川を生産している吉田酒造店さん。こちらの酒蔵があるのが、白山市の山島地区。この地区には、戦前には10数件の酒蔵があったとされるが、今は、吉田酒造店のみ。その山島の伝統的な酒造りを続けているのは、能登杜氏の山本さんと前社長のご子息の吉田行成さん。伝統を守りながら、常に美味しい日本酒を出し続けています。
メイン銘柄:【日本酒】 手取川 純米大吟醸 本流
香り:★★★☆☆
甘口:★★★★☆:辛口
淡麗:★★★☆☆:濃厚
キレ:★★★★☆
コク:★★☆☆☆
使用米:山田錦
精米歩合:45%
アルコール度数:15度
冷や ◎ 常温 ◯
最後に
金沢や加賀温泉以外にも、観光でぜひ訪れてみてください!
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