飲酒の前に勉強すると記憶力がアップする訳とは?

2017年のイギリスのエクセター大学が承認した実験・研究によって、飲酒前に学習した内容を翌朝にテストしたところ、学習後に素面で過ごした時よりも、学習した内容を覚えていたということが明らかになりました。そこで今回は、飲酒の前に勉強すると記憶がアップする訳についてご紹介します!

88人を対象にした記憶テストとは?

被験者について

2017年に発表された「Improved memory for information learnt before alcohol use in social drinkers tested in a naturalistic setting」という実験・研究では、88人(31人の男性、57人の女性)をランダムに、「飲酒グループ」と「素面グループ」に分けて、実験しました。

ただし、この実験に参加する人は、下記の条件を満たしていなければなりません。

被験者条件
・人付き合い程度の飲酒をする人
・イギリス英語の話者

またそれだけでなく、5つの除外項目(抵触すると被験者を除外)も設けられています。

除外項目
1.明らかな身体的または精神的な疾患がある人
2.神経疾患者
3.経口避妊薬以外の薬の服用がある人
4.妊娠をしているもしくは妊娠の可能性がある人
5.BMIが16以下もしくは35以上の人

実験内容について

学習し、記憶を確認する作業には、「a. The retrograde task」と「b. The anterograde task」があります。

a. The retrograde task

このタスクは、2段階に分かれています。

第一段階
1.24の単語を聞く。
2.36回、異なった並び順を繰り返し聞く。
3.ターゲットとされている音(’gun’の中のn)を含んだ単語かどうかを出来るだけ早くキーボタンを押すことで知らせる。
→「学習直後」と「翌朝」にテストを行う

第二段階
1.24個の学習した単語の「初めの音」を流す。
2.最後の2文字が空欄になっており、その空欄に適当な文字を入れる。

b. The anterograde task

第一段階
1.128の画像をスクリーンに映す。
2.「indoor」と「outdoor」に分類する。

第二段階
スクリーンに映し出された画像をみて、「old」・「similar」・「new」に見極める。
※最初の64つは、第一段階で使用された画像。次の64つは、第一段階で使用された画像に似ている画像。そのほかの64つは、新しい画像となっている。

実験の手順

実験の手順は、下記の通りです。被験者には、約16時間程度の拘束をする実験内容となっています。

時間実験内容
18:00 〜 19:00・質問回答(15分)
・学習段階(45分)
19:00 〜 20:00・The retrograde task(15分) session①
・アルコールチェック
20:00 〜 22:00・アルコールタイム
22:00 〜 23:00・アルコールチェック
・The anterograde task(20分) session①
10:00 〜 10:35・アルコールチェック
・The retrograde task 2回目(15分) session②
・The anterograde task 2回目(20分) session②

実験からわかった飲酒と記憶の関係とは?

The retrograde task

素面のグループで、このタスクに取り組んだグループのSession①とSession②には、劇的な変化は起こりませんでした。しかし、その一方で、飲酒したグループでは、大きな違いが見られた。それは、Session①よりSession②の方が、より正しい回答が多かったということです。また、より多くの飲酒量で、深酒をしてしまった方が、結果が良かったのです。

実験結果①飲酒前の学習内容は、飲酒後の翌朝に行った記憶テストで、劇的な改善が見られた。また、より多くのアルコールを飲酒した方が、結果が良かった。

 

The anterograde task

素面のグループでは、Session①とSession②を比べると、Session①よりSession②の方が、正答率が低くなった。また、飲酒したグループでは、大きな変化が見られませんでした。

実験結果②素面のグループでは、学習内容をテストしたところ、正答率が下がった。その一方で、飲酒したグループは、大きな変化が見られなかった。

この実験から考えられることとは?

今回ご紹介した飲酒前の学習である「The retrograde task」の学習作業をまとめてみると下記のようになります。

・イギリス英語を話す人間が被験者
・単語を音声で何度も(36回)ランダムに繰り返し聞く
・飲酒前に学習し、飲酒後の翌朝にテストを行う

このことから、考えられることがいくつかあります。まず一つ目は、先ほどもご紹介した通り、飲酒前に学習した内容は、飲酒後により正しい記憶として、定着しているということです。

また、二つ目は、音声で何度も繰り返し、ランダムに聞いていることです。これは、認知心理学でも推奨されている「インターリーブ学習」です。要するに、規則正しく順番に学習するよりも、ランダムな順番で学習した方が学習効率が上がるという勉強方法です。

三つ目は、学習する内容によっても異なってきますが、「音声」を聞くことで学習できるという点です。

これらの三つから下記のことが効果的な勉強としておすすめです!

実験から考えられる効率的な学習方法飲酒前に、記憶したい内容をランダムに学習するインターリーブ学習法を実践する。(音声で学習できる場合は、なるべく音声で学習すること)。
そして、お酒は多ければ多い方がいい。

そしてこの現象は、酔うことで、認知機能が低下し、新たな情報が入ってこない状態が作られて、脳の海馬で、以前学習した情報が整理されることにより、起きる現象によるものだそう。

お酒は好きだけど、資格の勉強をしなければならない場合は、ぜひ、お試しください!

実験論文引用:Improved memory for information learnt before alcohol use in social drinkers tested in a naturalistic setting

 

 

SAKE RECO 編集長
日本のお酒をこよなく愛する「SAKE RECO」の編集長。特に、最近では、日本酒はもちろんのこと、「クラフトジン」や「焼酎」にどハマり中。お酒ばっかりだと太るので、「マラソン×筋トレ」は日課。

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