飲酒で日本人が癌になりやすい臓器・器官とは?
飲酒で発癌性リスクが下がる部位・臓器は?
先ほどの表から見ても、多くの部位や臓器の発癌性リスクが高まってしまうことをご紹介しました。しかし、その一方で、発癌性リスクが低下する部位・臓器もあります。
部位・臓器 | Light | Moderate | Heavy | 研究数 |
---|---|---|---|---|
ホジキンリンパ腫 | 0.73 | 0.73 | 0.63 | 9 |
非ホジキンリンパ腫 | 0.88 | 0.87 | 0.75 | 24 |
腎臓 | 0.92 | 0.79 | ー | 17 |
甲状腺 | 0.81 | 0.81 | ー | 9 |
しかし、先ほどの発癌性リスクが上昇している部位・臓器に比べて、圧倒的に少ないことから、やはりお酒はほどほどにしておいた方がいいのかも知れません。
アルコール摂取量と発癌性リスクの関係とは
アルコール摂取量と発癌性の比例関係
アルコールの摂取量が増えれば増えるほど、発癌性リスクが急勾配に増加してしまう部位と臓器は下記の通りです。
アルコール摂取量と発癌性リスクが急勾配に増える器官
・臓器
・口腔
・咽頭
・食道
同様の傾向はありながらも、小規模で発癌性リスクが増加する部位・臓器は下記の通りです。
アルコール摂取量と発癌性リスクが小規模で増える部位
・臓器
・メラノーマ
・結腸・直腸
・胆嚢
・咽頭
・乳
アルコール摂取量が増えても、発癌性リスクに変化がなかった部位・臓器は下記の通りです。
アルコール摂取量が増えても、発癌性リスクが変化しない器官・臓器
・胃噴門
・小腸
・首
・子宮内膜
・卵巣
・膀胱
アルコール摂取の摂取量の増加量に応じて、リスクが低減した部位・臓器は下記の通りです。
アルコール摂取の摂取量の増加量に応じて、リスクが低減した部位・臓器
・胃噴門
・リンパ腫
・腎臓
・甲状腺
男女や人種によって部位・臓器の発癌性リスクが変わる?
男女で変わる結腸・直腸の発癌性リスク
結腸・直腸の発癌性リスクが、女性に比べて、男性の方がはるかに可能性が高く、女性は、飲酒による結腸・直腸の発癌性リスクは見られませんでした。 男性と女性の結腸・直腸の発癌性リスクについて
女性より男性の方が、飲酒による発癌性リスクが高い。(女性はほぼ変化なし)
人種で変わる発癌性リスク
軽い飲酒において、他の地域(北アメリカ・ヨーロッパ地域)の人種に比べて、アジア人の「口腔・咽頭」、「食道」の発癌性リスクが高かった。
これはあくまでも、当研究での今後の議論の対象になる部分ですが、肝臓や上部気道消化管の発癌性の一部とされている「アセトアルデヒド」ですが、このアセトアルデヒドを酢酸・二酸化炭素・水に分解するALDH2をアジア人の28〜45%しか持っていないことにも紐づくのではないかと考えられていたりします。
また、北アメリカの人は、他の地域に比べて、「メラノーマ」と「前立腺」の発癌性リスクが高かった。
男女や人種によって部位・臓器の発癌性リスク
・女性より男性の方が、結腸・直腸の発癌性リスクが高い
・アジア人は、「口腔・咽頭」と「食道」の発癌性リスクが高い
・北アメリカ人は、「メラノーマ」と「前立腺」の発癌性リスクが高い
日本人が特に気をつけたい飲酒による発癌性リスク
日本人は、先ほどご紹介した「ALDH2」が不活性な割合が、アジアの中でも特に多く、全体の人数の44%までのぼると言われています。そのため、「口腔・喉頭」と「食道」には注意が必要です。
ただ、リンパ腫や腎臓、甲状腺以外のどの部位にも、飲酒によって発癌性リスクが高まりますので、飲酒はほどほどにするようにしましょう!
引用研究:Alcohol consumption and site-specific cancer risk: a comprehensive dose–response meta-analysis
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