セックスレスが解消できる夫婦間の飲酒とは

今回ご紹介する飲酒に関する研究は、「夫婦の飲酒量によって、夫婦関係に対する期待がどう変化するのか」ということを明らかにした研究です。(研究名:Relationship-Specific Alcohol Expectancies in Couples With Concordant and Discrepant Drinking Patterns

研究方法

グループ分類

251組のカップルに参加してもらい、4つのグループに分類しました。なお、この研究では、heavy drinking(大酒飲み)を1度の飲酒機会で男性が5杯以上、女性が4杯以上としています。

  1. 夫婦共に大酒飲み(Heavy Drinking Couple)(68組)
  2. 夫が大酒飲み(Heavy Drinking Husband)(79組)
  3. 妻が大酒飲み(Heavy Drinking Wife)(35組)
  4. 夫婦共にお酒を飲まないもしくは嗜む程度(Comparison Couple)(69組)

参加者の平均年齢

男性:37歳
女性:35.39歳

同居・結婚の平均年数:10.84年
子供の有無:82.5%が子供あり
子供の平均人数:2.5人

なお、夫婦共に仕事をしているカップル(男性:90.8%、女性:80.9%)が多く、教育レベルも夫婦で大きな差がありませんでした。(大卒の男性:80.1%、大卒の女性:87.2%)

アンケート内容

アンケートは、4項目に分類されています。

  1. 親密性 / 開放性
  2. 性的な気持ちの高まり(セックスしたい願望の高まり)
  3. 相互の主張 / 関係性の強さ
  4. 社会的な満足度 / 楽しみ

親密性/開放性

この項目でのアンケートは、6項目ありました。それらは、「飲酒後に、パートナーへの親密さをどれくらい期待するか」ということが聞かれています。

性的な気持ちの高まり

この項目のアンケートは、5項目ありました。これらは、「アルコールによるセックスへの意欲の高まり」について聞いています。

相互の主張 / 関係性の強さ

ここでは、5項目のアンケートを通じて、「アルコールで自信やパワー、パートナーとの調和を感じるような力が期待できるか」ということが聞かれています。

社会的な満足度 / 楽しみ

ここでも、5項目のアンケートで、「飲酒後に、パートナーとの時間がいかに楽しみか」を聞かれています。

研究結果

親密性 / 開放性

「親密性 / 開放性」の項目では、「男性が飲める」もしくは「女性が飲める」かということが重要であるということが明らかになりました。特に、夫婦が多くのお酒を飲める場合、飲酒後の妻の親密性に関する期待が他の3種類の夫婦よりも大きいという結果になりました。

また、夫婦共にお酒を飲まないもしくは嗜む程度の場合、夫の飲酒後の親密性に対する期待がその他の3種類の夫婦よりもより弱いという結果となりました。一方で、同様の夫婦のケースでは、飲酒後の妻の親密性を期待する度合いはその他の3種類とほぼ変わりませんでした。

 Comparison CoupleHeavy Drinking HusbandHeavy Drinking WifeHeavy Drinking Couple
夫(husband)×
妻(wife)

・夫婦が共にお酒が飲める場合、飲酒後の奥さんの親密性に対する期待が非常に高い
・夫婦が共にお酒が飲めるもしくはいずれかがお酒が飲める場合、飲酒後の夫の親密性に対する期待が高い
・夫婦が共にお酒が飲めないもしくは嗜む程度の場合、飲酒後の夫の親密性に対する期待は低い

性的な気持ちの高まり

パートナーとのセックスをしたいという性的な気持ちの高まりは、「妻がお酒を多く飲める場合、その期待がより強い」ということが明らかになりました。

妻がお酒を多く飲める場合、パートナーとのセックスをしたいという性的な気持ちの高まりへの期待がより強い

相互の主張 / 関係性の強さ

相互の主張と関係性の強さがより良い関係は、「夫もしくは妻がお酒を多く飲める場合にその期待は強い」ということが明らかになりました。

夫もしくは妻がお酒を多く飲める場合、相互の主張および関係性の強さに対する期待がより強い

社会的な喜びや楽しみ

社会的な喜びや楽しみに対しての期待は、「妻がお酒を多く飲める場合により強い」ということが明らかになりました。」

この研究から学べる夫婦のあり方とは?

今回ご紹介している研究では、「妻(女性のパートナー)の飲酒」が関係性の鍵を握ることは明白ではないでしょうか?夫婦仲をよりよくするには、夫(男性のパートナー)の飲酒の度合いというよりも妻(女性のパートナー)の飲酒が非常に重要と言えます。

では、夫婦間での飲酒はどのようにして形作られるのでしょうか?2003年に発表された研究(Leonard and Mudar)では、夫の飲酒は結婚初年度の妻の飲酒に影響を与える一方で、妻の飲酒は結婚期間の後半での夫の飲酒に影響を与えることが明らかになっています。

上記のことから考えられるのが、結婚の初期に夫婦で飲酒する機会を持っていた場合、出産・子育て・仕事があったとしても、夫がいかに妻にゆっくりとお酒を楽しむ時間を作ってあげられるかということが夫婦仲を保つ一つの方法かもしれません。

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SAKE RECO 編集長
日本のお酒をこよなく愛する「SAKE RECO」の編集長。特に、最近では、日本酒はもちろんのこと、「クラフトジン」や「焼酎」にどハマり中。お酒ばっかりだと太るので、「マラソン×筋トレ」は日課。

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