尿酸値を抑えて、痛風になりづらいお酒とは?

尿酸値を抑えて楽しめるお酒とは?

研究概要

2004年に発表された論文、「Beer, liquor, and wine consumption and serum uric acid level: The Third National Health and Nutrition Examination Survey」の実験では、20歳以上の男女合計14,809名(男:6,932名、女:7,877名)を対象に、「ビール」・「ハードリカー」・「ワイン」の飲酒により、血清尿酸値の増減を観察しました。

この実験では、尿酸に対して、アロプリノールなどの薬剤で処置していたり、そのほかの療法を実施している人は、対象外としていますので、それにも関わらず、14,809名を対象にしていますので、すごいですよね。

被験者の概要は下記の通りです。

被験者数:14,809名(男:6,932名、女:7,877名)
平均年齢:44.7歳
平均血清尿酸値:5.32(なお、日本での適正値域は、「男性:3.8〜7.5、女性:2.4〜5.8」)

尿酸値の上昇を抑えられるのは?

この研究では、「1.年齢」と「2.年齢を含めたそのほか変数」で結果に影響が出ないように、調整して実験を行っています。その結果、「ビール」「ハードリカー(蒸留酒が主)」を飲酒していた人の尿酸値は、飲酒量が増えていくと上昇していくことがわかりました。

その一方で、ワインは、飲酒量に応じてではありませんが、程よい適量の飲酒量(具体的には、明示されていません)であれば、尿酸値は下がっていました。

この理由は、いくつかありますが、ワインの性質にあるかもしれません。というのも、ワインは、アルカリ性の食品でもあると言われ、尿のpHを6,2〜6.9程度に調整する働きがあると言われています。

そのため、先ほどご紹介した「酸と塩基性の反応」から、ワインを飲むとpHが6.2〜6.9程度に調整されるとすると、尿が尿酸を含むことができる可能性は高まるためとも考えられるのではないでしょうか?

尿酸値の上昇を抑えられるお酒
適量のワインは尿酸値の上昇を抑えてくれる

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男性より女性がワインを飲むと尿酸値の抑制が大きい

この実験では、男性より女性の方が飲酒量の合計(平均)が少なかったという前提ではありますが、ワインを飲んだ男性より女性の方が、尿酸値が減少傾向にありました。そのため、「ワインを多く飲む=尿酸値が下がる」という訳ではなく、程よい適量のワイン飲酒量が尿酸値を下げてくれるのかもしれません。

男女の違い
程よく飲む女性の方が尿酸値が下がる傾向に

まとめ

尿酸値の上昇を防ぐために
・尿酸値を抑えた飲酒は、ワインを程よい量飲む
・ワインは、アルカリ性食品のため、尿のpH値を弱酸性(6.2〜6.9程度)にしてくれ、尿酸を尿で排出しやすくなる
・尿酸値を下げるのに、乳酸菌が注目されつつある

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SAKE RECO 編集長
日本のお酒をこよなく愛する「SAKE RECO」の編集長。特に、最近では、日本酒はもちろんのこと、「クラフトジン」や「焼酎」にどハマり中。お酒ばっかりだと太るので、「マラソン×筋トレ」は日課。

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